神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2015-01-01から1年間の記事一覧

オタオタ日記から見た小谷部全一郎

トンデモシンポで話された石川巧先生の小谷部全一郎ネタが評判になっているので、便乗して拙ブログの過去のエントリーをあげておく。 2006.2.28 「大川周明とトンデモ本の世界(その1)」 2006.3. 2 「大川周明とトンデモ本の世界(その2)」 2006.3. 3 「…

桑原俊郎『精神霊動第壱編催眠術』(開発社、明治36年9月4版)

知恩寺の古本まつりで三密堂200円。背と表紙の一部が欠け、数ヶ所に線引きがあるが、それでも安い。実は、明治38年9月13版は相当昔に購入して持っている。数千円したと思う。両者を比較してみると、前者の120頁から129頁まで「附説」として、第二編精神論、…

東京都古書籍商業協同組合機関誌『古書月報』143号、1961年10月

神戸の古書店で150円。もっと欲しかったのだが、本号だけとのこと。国会図書館に納本されているので、行けば61号以降欠号は多いものの読める。「日本の古本屋」では、文圃が出品しているのみ。『大阪古書月報』は、より入手困難のようだ。 本号の目次は、 み…

満井佐吉も竹内文献の信奉者だった

トンデモシンポジウムを記念して、偽史ネタを。 知恩寺の古本まつりで200円で拾った満井佐吉『底力論』(青山書院、昭和17年10月)8・9頁に次のような一節がある(旧字は新字に改めた)。 もと/\、日本 御皇室の祖宗の神々によつて全世界は嘗ては統一せら…

トンデモないシンポジウムがあるそうな

11月7、8日立教大学で日本学研究所主催「近代日本の偽史言説 その生成・機能・受容」なるトンデモ好きには堪らない企画があるそうな。詳しくは➡「http://www.rikkyo.ac.jp/sp/events/2015/11/16812/」 シンポジウムで取り上げられるテーマと拙ブログのトンデ…

知恩寺秋の古本まつり初日の三密堂で拾った十冊

知恩寺の古本まつりも昨日で終わってしまいましたが、期間中に買った本の紹介。まずは初日に三密堂書店で買った本。 ・200円 小柳司気太・尾上八郎編『井上博士杖国集』(浦谷熊吉、昭和4年12月)・・・井上哲次郎の古稀記念誌 桑原俊郎『精神霊道第一編催眠…

秋の古本まつり最終日好例の竹岡書店十冊五百円で拾った本

今日は知恩寺での秋の古本まつり最終日。竹岡書店では三冊五百円コーナーが十冊まで五百円になるのが好例。ということで、次の本を買いました。 『蔵重久夫の遺稿集』(「蔵重久夫の遺稿集」編集委員会、昭和53年11月)・・・蔵重は日出新聞、読売報知新聞、…

土田誠一『伊勢神道と尊皇思想』(大倉精神文化研究所、昭和10年5月)検閲官コメント付き内務省検閲原本

日本精神講習会叢書の第12輯で、昭和9年10年に大倉精神文化研究所が開催した日本精神講習会の講演筆録第二集の一冊である。『千代田図書館蔵「内務省委託本」関係資料集』を入手してから、検閲官のコメントが書かれた内務省警保局図書課による検閲原本(正本…

『蝦夷野』7巻7号(蝦夷野社、昭和15年11月)内務省検閲原本

これも昨日のアイヌ関係の袋の中に入っていたもの。ガリ版10頁の句誌。表紙の内務省印は、「内務省/15.11.29/[新聞紙]」 。その右に内務省印と同じく赤インクで「納本/新|無」。後者も内務省が押印したものだろうか。「新|無」の意味は不明。奥付は、昭和15…

米村五郎蔵『アイヌの墓標』(西川俊康、昭和14年10月)内務省検閲原本

オタどん改めハツどん(ウソ)が西部古書会館で拾った内務省の検閲原本。アイヌ関係一式として千円で売られていた中の一冊。15頁のガリ版。一番前の雑誌に内務省印があったので購入。本書の内務省印は、「内務省/14.9.30/(普通出版)」の記載。その下に、内…

『中原中也の会会報』創刊号(中原中也の会事務局、1996年12月)

これまた大阪天満宮古本まつりで厚生書店の雑誌100円均一で入手。21号あたりまで不揃いで出ていたが、創刊号のみ購入。目次は、 中原中也の会の発足にあたって 中村稔(会長) 中原中也の会発足までーー経過報告ーー 北川透(事務局長) 印象 中原豊 中原中…

あがたの森書房で東京読書普及会旧蔵の『性の崇拝』を

市内のあがたの森書房でクリフオード・ハワード著、出口米吉訳『性の崇拝』(扶桑社、大正11年7月)を。「原序」によると、「本書の目的は、世界の種々の宗教的信仰が共通の根源を有し、自然の物質的基礎即ち生の創造復活に対する崇敬の念を基として生ぜしこ…

不滅のアスタルテ書房で「荒俣宏の世界」特集の『青春と読書』1997年9月号を

アスタルテ書房の閉店セールに行き、お別れをしてきたファンも多いかと思うが、店は続くことになった。「古書きとら」のtwitterで知り、早速行って奥さんに聞いてきた。古書店勤務の経験のある男性が続けるとのこと。詳しくは、私なんかよりも、林哲夫氏か京…

太宰治「散華」掲載の『新若人』5巻3号(旺文社、昭和19年3月)

大阪天満宮で厚生書店出品の雑誌100円均一から発掘。初日には無かったと思うが、2日目に発見。こういう事もあるのだなあ。太宰治「散華」掲載。もっとも、私は太宰より鈴木庫三の座談会が載った方が欲しいが。「著者紹介」には、「太宰 治 青森県出身、東大…

『考古学者榧本杜人』(朝鮮講話の会、1972年9月)

大阪天満宮で厚生書店出品の200円。未知の人物だが、戦時中の日記が収録されていたので購入。榧本杜人(かやもと・もりと、1901-1970)は本名亀治郎、戦前は朝鮮総督府学務局社会教育課、同博物館等に勤務、戦後は奈良国立文化財研究所歴史研究室長、平城宮…

『郷土志料展覧会陳列目録』(奈良県立戦捷記念図書館、大正10年4月)

四天王寺の古本まつり100円均一コーナーで。大正10年4月15日から19日まで奈良県立戦捷記念図書館で開催された展覧会の目録。 「例言」によれば、聖徳太子千三百年御遠忌に際し奈良市で全国図書館大会が開催されるのを機として郷土志に関する典籍文書絵画拓本…

『図書館研究総索引』第3号(青年図書館員聨盟、昭和19年12月)

大阪天満宮の古本まつりで厚生書店出品の雑誌100円均一から発見。背のほとんどが欠けていて、全体の状態も悪いが、二度と出会えないかもしれないし、100円だしと購入。タイトルの「図書館」は、実際は「くにがまえ」に「書」。旧蔵者は不明だが、「青年図書…

『鳩亭雑話』創刊号(鳩書房、昭和58年7月)

市内の古書店にて500円で購入。三鷹の古書店鳩書房が発行した16頁の小冊子。関川左木夫「かりそめの黄眠詩塾小史1」が12頁、「誌面展示即売目録」が3頁。500部限定。黄眠詩塾は日夏耿之介が昭和3年2月に創立した詩塾。沢田卓爾、佐藤春夫、日夏、中川一政、…

沖田信悦編『地域古書店年表ーー昭和戦前戦後期の古本屋ダイレクトリー』(金沢文圃閣、2015年5月)

文圃から沖田信悦編『地域古書店年表ーー昭和戦前戦後期の古本屋ダイレクトリー』の内容案内が届いた。沖田氏は、千葉県の古書店鷹山堂の店主で『植民地時代の古本屋たち 樺太・朝鮮・台湾・満州・中華民国ーー空白の庶民史』(寿郎社、2007年)の著者でもあ…

小谷野敦『このミステリーがひどい!』に「SF「小説」は必要なのか?」と。

先日猫猫先生こと小谷野敦氏から『このミステリーがひどい!』(飛鳥新社、2015年8月)をお贈りいただきました。大変遅くなりましたが、ありがとうございました。 第五章が「SF「小説」は必要なのか?」で、前々からの小谷野氏の持論である。映像が小説を超…

『服をめぐる』創刊号(京都服飾文化研究財団、2015年7月)に藤野可織さんのSF「ニュー・クリノリン・ジェネレーション」

京都国立近代美術館に置いてあった『服をめぐる』。京都服飾文化研究財団が創刊した年3回発行12頁の広報誌。巻頭に藤野可織「ニュー・クリノリン・ジェネレーション」が。クリノリンは、19世紀中頃考案された下着の一種で、くじらのひげや針金をフープ状に加…

生誕150年記念展Baron住友春翠ーー邸宅美術館の夢ーー

泉屋博古館で10月12日まで開催中。大阪図書館(現大阪府立中之島図書館)を建設して寄付した人。 展示の構成は、 1ー1 須磨別邸の概要ーー須磨にすまう 1ー2 須磨別邸と建築家野口孫市 1ー3 須磨別邸の室内装飾 2 西洋美術への眼差し 3 内国勧業博覧…

古書ますく堂で南陀楼綾繁+枕屋春水『日記日和』(物数奇工房、1998年12月)

誰ぞこと書物蔵氏の車に乗せてもらい、西池袋の古書ますく堂へ。大阪の本おや(本は人生のおやつです!!)の坂上友紀さんからお噂を聞いていたので、行きたかった店である。地図は調べてあったが、一人では迷っていたかもしれない。本の本が多く、その中から…

ヨゾラ舎で『本の装幀展示会目録』(国立国会図書館、昭和53年2月)

市内のヨゾラ舎で購入。昭和53年2月16日から25日まで国立国会図書館で開催された展示会の目録。展示品は同図書館所蔵本を中心としたが、成田図書館や日本近代文学館などの機関に協力を得たほか、次の個人からも提供を受けた。 芹沢けい介、今岡規恵、福田清…

『たのやく』2015年9月号(たのやく出版)特集「珍書がアツイ」

泊まった東横インでもらった客室専用誌。「複数の出版社と連係し、各雑誌・書籍からの転載記事を主体に構成」した「ホテル宿泊者向けコラボレーション情報誌」とのこと。『九州の巨人!巨木!!と巨大仏!!!』、『珍名いきもの124』『日本懐かしアイス大全』など…

青柳秀雄旧蔵『思遠会会報』創刊号(思遠会、昭和10年4月)

趣味展の扶桑書房出品500円で『思遠会会報』創刊号昭和10年12月ー8号11年7月を。「青柳文庫」の印にビビビときたオタどん。ビニール袋に封がしてあって中の確認ができなかったが、郷土資料で青柳ときたら、誰ぞが調べておった青柳秀雄ではないかと買ってみた…

『普及』創刊号(日本謄写印刷普及会、昭和22年6月)

大阪古書会館で唯書房出品500円。目次は、 発刊の辞 後藤治郎 発刊を祝す 萬年孝成 日常謄写版常識について(遺稿) 五十里岱三 墨拓荘を訪ねて 中林清二 今日の課題 吉川清太郎 謄写談義 細田克兵 孔版の道 安達友治 五十里の想ひ出 鯉池定二 山陰だより S…

『心霊研究』創刊号(心霊科学研究会、大正12年7月)と『心霊界』創刊号(輝文館、大正13年2月)

下鴨古本まつりの吉岡書店の最終日半額セールで各2000円。『心霊研究』創刊号の目次は、 趣意書ーー心霊科学研究会設立に就きて 右英文 巻頭言 心霊学の立脚地ーー心霊講座(その一)ーー 中野馨透視及自働書記実験録 腰山金雄 中野馨少年の実験会に臨みて …

『謄写版の冒険 卓上印刷器からはじまったアート』(和歌山県立近代美術館、2013年2月)

名古屋の山星書店で540円。和歌山県立近代美術館で2013年2月9日から3月24日まで開催された展覧会の図録。観覧者には無料で配布されたが、私が会期末に行った時にはもう品切れであった。目次は、 はじめにーー記憶と「歴史」に映る謄写版の面影 熊田司 図版 1…

中村浩『野次馬放談』(高風館、昭和30年12月)の「千里眼」

Z書店の均一台で100円。「学者知遇記」に柳田国男登場。 柳田国男先生とはある会合のとき、自動車に同乗して以来、ときどき訪れるようになった。この先生は、わたしの祖父、父とも交流があった人で、わたしで三代目である。気むづかしい老人だが、研究慾は青…