神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

久保田万太郎から里見とんの消息を聞く柳田國男

さんざんネタに使った柳田國男の『炭焼日記』だが、まだまだ面白ネタが埋もれていた。

昭和19年9月27日 連句委員会第三次、高浜父子、佐藤、深川、久保田、伊原、折口、加藤。
         会は平凡なれど行かへりの電車の込むことのみは非常なり。
         久保田君と久しぶりにあふ。泉老夫人及里見氏などの消息をきく。

    10月1日 日曜なれども戦勝祈願の連句の為に、永田町の文学報国会に集まる。高浜、佐藤、伊東の三君のみ、やゝおくれて折口君来、八句まで進み五時半別れかへる。


連句委員会」は、日本文学報国会連句委員会。「高浜」は高浜虚子、「佐藤」は佐藤漾人、「深川」は深川正一郎、「久保田」は久保田万太郎、「折口」は折口信夫、「加藤」は加藤守雄。「伊原」は伊東(月草)の誤記か。そして、「泉老夫人」は泉鏡花未亡人すず、「里見」は里見弓享ではありませんか。柳田、久保田、すず、里見が最後にそろったのは、鏡花が亡くなったときのことと思われる。いやはや、『炭焼日記』に里見が出ていたとは。

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大阪市営地下鉄のフリーマガジン『OPPi』11月号に玉造駅近くのブックカフェ「beyer(バイエル)」登場。昨年オープンとのこと。『ブックカフェものがたり』(幻戯書房、2005年12月)に載っていないブックカフェが多くなってきた。