神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

横田順彌先生に薄井秀一の経歴を解明したと報告したかった

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SFマガジン』6月号は「横田順彌追悼特集」である。中学生の時買い始めた同誌に横田順彌先生の「日本SFこてん古典」が連載されていた。ここで古典SFの存在や古本探しの面白さを教えていただいた。ただし、その後の長い古本歴の中で古典SFを買うことはほとんどなかったと思う。ヨコジュンさん(と呼ばせてもらおう)が巧みに紹介しているから面白そうと思ってしまうが、原典に当たると実際はそれほど面白くないからである。連載の中で特に印象的だったのは、謎のSF作家羽化仙史(本名渋江保)の正体が森鴎外の史伝で知られる渋江抽斎の息子と解明したことである。「大発見」だと思ったものだ。
さて、私はこのブログで、ヨコジュンさんが「海にも出てきた薄井秀一」*1などで追いかけた薄井秀一と菅聡子先生が追いかけた「モダン・ガール」の最初の使用者北澤秀一が実は同一人物だと解明した。詳しくは、
久米正雄が昭和2年に失ったもう一人の友人北澤秀一(その1)
久米正雄が昭和2年に失ったもう一人の友人北澤秀一(その2)
久米正雄が昭和2年に失ったもう一人の友人北澤秀一(その3)
微苦笑の人久米正雄とモダン・ガールの人北澤秀一
を参照されたい。その後曾孫の北澤豊雄氏による「漱石と「モダンガール」創始者とロンドン娘の恋文と…|夏休み特別ノンフィクション | クーリエ・ジャポン」が発表され、私の推測の正しさは裏付けられた。もっとも、生年を明治12年か13年と推測したが、正しくは明治17年であった。ヨコジュンさんはパソコンを使われなかったそうなので、拙ブログを知る機会はなかったと思われるが、あなたのファンだったオタどんが薄井秀一の謎を解きましたよと報告したかった。

*1:『明治時代は謎だらけ』(平凡社、平成14年2月)所収