2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧
私は学生時代は左京区吉田に住んでいて、北白川に住んだことはない。しかし、友人や先輩の多くは、北白川に住んでいた。また、いつの時期の話か忘れたが、京大の先生の多くが北白川に住んだと書かれた本を読んだ覚えがある。ということで、今回は北白川と京…
分離派建築会作品展は、大正9年から昭和3年まで開催された。また、五十殿利治ほか『大正期新興美術資料集成』(国書刊行会、平成18年12月)の年表も大正9年から昭和3年までが対象とされている。これは、偶然ではあるものの、両者がシンクロする時代でもあった…
もう1枚の竹内亮宛葉書も、数年前にシルヴァン書房から購入したものである。裏面は、写真のとおり地味に印刷された上智大学名の年賀状である。これを見て買う人はいないだろう。しかし、私は表面に博士宛で発信者が上智大学内とあるので買っておいた。宛名の…
' これも平安神宮の古本まつりでシルヴァン書房から入手した絵葉書。九州帝国大学農学部植物学教室の竹内亮宛である。未紹介だが竹内宛の絵葉書を既に1枚入手していて、名前は知っていた。発信者は、「台北ニテ」は読めるが、氏名が読めない。文面に「天草富岡…
19日(土)から始まった平安神宮の古本まつりも明日(水)までとなりました。おかげさまで色々掘り出し物がありました。初日シルヴァン書房の寸葉さんの所は、常連客で混み合っていた。というのも、常連客には案内状が発送されていたからである。初めてのイベン…
今月も無事開催された大阪古書会館の「たにまち月いち古書即売会」。18日の初日に行ってきました。シルヴァン書房は19日からの平安神宮の古本まつりにも参加するためか、出品のメインが100円均一の文庫であった。もう文庫・新書は見ないことにしているので、う…
京都では、夏に下鴨神社、秋に知恩寺の青空古本まつりが開催される。これらと春のみやこめっせの古本まつりを併せて、「京の三大古本まつり」と呼ばれている。ところが、コロナ禍のせいでみやこめっせは2年連続、下鴨は昨年中止になった。こうした古本界の危機…
今日はたにまち月いち古書即売会の初日。開場前の行列が賑わっていた。20日(日)まで開催。いつも通り古本横丁から廻る。いつものメンバーではない人が多かった。激戦区となって、1冊だけ購入。シルヴァン書房は明日から平安神宮での古本まつりにも参加するの…
名古屋古書会館には、何年も行っていない。そろそろ行きたいと思っていたら、昨年からのコロナ禍で度々中止になっているので、しばらくは無理そうである。本日紹介する『郷土文化』4巻2号(郷土文化会、昭和24年3月)は、その名古屋古書会館で入手したものであ…
何年か前に、金沢大学名誉教授の国文学者川口久雄宛の書簡が出回った。「日本の古本屋」の記録を見ると、加藤楸邨、吉田精一、吉川幸次郎らからの葉書や江藤淳、神田喜一郎からの書簡が売り切れている。当時私も寸葉さんから東京教育大学文学部教授だった和歌…
『白樺』同人だった小泉鉄の書簡を70通ほど持っている。3年前に文庫櫂から購入。貧乏なわしには、やや高額であった。すべて中央公論社の編集者だった三沢澄子宛である。昭和20年8月(推定)から亡くなる年の29年3月までで、晩年の様子がある程度うかがえるもの…
10日無事に開催された平安蚤の市へ。『滋賀公論』創刊号(滋賀公論社、明治23年11月)を購入。24頁、1,000円。国会図書館サーチや滋賀県内図書館横断検索でヒットしないので、貴重な雑誌だろう。目次を挙げておく。 井上円了と中西牛郎の名前があるので、買っ…
平成23年から25年にかけて親族の不幸があり、この間に出た本や論文に見落としが多い。『荷風全集』別巻(岩波書店、平成23年11月)も未読であったので、読んでみた。頼まれたわけでもないのに、同書の「書簡宛名解説索引」(中村良衛作製)に補足してみよう。とい…
3年前に文庫櫂から白川書院の臼井喜之介宛中村直勝書簡を購入。1通500円。「臼井書房の臼井喜之介と野薔薇詩社の稗田菫平 - 神保町系オタオタ日記」等で紹介した富山の詩人稗田菫平宛書簡群の中になぜか紛れていた。4通あって、内容は ・昭和38年2月10日付け …
財界人の日記は、作家や学者等の日記に比べて面白くない。渋沢栄一*1や小林一三*2の日記でも面白い記述は、極一部である。そのため、『平生釟三郎日記』(甲南学園)は手付かずであった。しかし、人名索引を読んでみたら絶句するような名前が幾つか出てくる。…
『秋田雨雀日記』1巻(未来社、昭和40年3月)に新村出の脚本朗読会カメレオンの会と野淵昶のエラン・ヴィタール小劇場が出てくる。 (大正九年) 五月十六日★ 午後一時三十分の汽車で神戸を出発、京都へきた。四時前についた。林久男君がきていた。三人で、谷村…
川村湊編『中島敦 父から子への南洋だより』(集英社、平成14年11月)の「解説 トンちゃん、南の島をゆく」は、サイパン公学校の教育に対する視点について、中島と『南洋旅行』(金の星社、昭和16年12月)の久保喬(本名・隆一郎)を比較している。公学校は、島民(現…
木股知史先生の「瞬間と全体ーー晶子・啄木と生命主義的発想ーー」が載った『国文学解釈と鑑賞』別冊の『「生命」で読む20世紀日本文芸』(至文堂、平成8年2月)に、鼎談「日本の近・現代文学と生命観」も掲載されている。出席者は、平岡敏夫(城西国際大学)・吉田凞…
あれは平成6年だったか、7年だったか、当時鳴門市にあった鳥居記念博物館に電話したことがある。図録の在庫の問い合わせだった。対応したのは、お爺さんだったが、「無いので、古本屋に当たってください」とか「先ずは全集を読んでください」と言われた。学生時…
斎藤清明『メタセコイア:明治天皇の愛した木』(中公新書、平成7年1月)によると、昭和14年6月京都帝国大学内に興亜民族生活科学研究所が、興亜院(のち大東亜省)の所管する研究組織として設立された。前医学部長の衛生学教授戸田正三(戦後、金沢大学学長)が中…