神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

平安神宮の古本まつりで買った本ーー京都で静岡市清水区の古本屋に出会うーー

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 京都では、夏に下鴨神社、秋に知恩寺の青空古本まつりが開催される。これらと春のみやこめっせの古本まつりを併せて、「京の三大古本まつり」と呼ばれている。ところが、コロナ禍のせいでみやこめっせは2年連続、下鴨は昨年中止になった。こうした古本界の危機的な状況の中、古書店の有志が立ち上がり、文化庁地域文化創生本部の協力も得て、平安神宮の英断で大極殿前の境内で昨日から古本まつりが開催されている。
 早速、初日の古本まつりへ行ってきました。雨なので開会時は人出も少なかったが、おいおい賑わってきた。一般の古書はもちろん、和本、レコード、絵葉書、児童書、料理書、図録など幅広いジャンルが揃った広く深い品揃えであった。
 写真の4冊を購入。表紙に「走井」とあるのは、橋本関一『逢坂走井由縁記』(昭和7年)。関一は、銀閣寺前に記念館がある橋本関雪の本名ですね。地元京都らしい本を拾えた。
 『鈴菜遺稿』(大正13年)は、三越呉服店京都支店新美術部主任で『みつこしタイムス』編集主任を務めた北村直次郎の遺稿集。資料的価値が非情に高い本であった。これら2冊は和本1冊500円の中に埋もれていた。何が出てくるか分からないのが、古本まつりの醍醐味ですね。
 『永安』7号(昭和6年)という撫順永安尋常小学校の校内誌。元版ではなく、復刻版(昭和59年)。図書室の蔵書目録が載っていて、面白そうなので買ってみた。これと『大震災霊験談』第1集(天理教東京教務支庁救護団、大正12年)と併せて300円。
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 今回の古本まつりには、関西の古書店のほか、石川県、三重県岡山県静岡県古書店が参加している。静岡県の太一は、何と私の出身地である清水の店であった。本をそっちのけで、清水の話をしてしまった。まさか京都の古本まつりで故郷の古書店に出会えるとは。皆さんも、驚きの本や人との出会いがあるかもしれないのでぜひのぞいてください。今日(20日)は15時までなので早めに行きましょう。23日(水)まで。
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