神保町系オタオタ日記

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平安神宮の古本まつりで東寺済世病院長小林参三郎夫人の小林信子宛絵葉書を掘り出すーー『静坐』(静坐社)の総目次を期待ーー

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 19日(土)から始まった平安神宮の古本まつりも明日(水)までとなりました。おかげさまで色々掘り出し物がありました。初日シルヴァン書房の寸葉さんの所は、常連客で混み合っていた。というのも、常連客には案内状が発送されていたからである。初めてのイベントなので、案内状が来なければ、遠方でネットも見ない人は開催を知らなかっただろう。その点、さすが寸葉さんこと矢原さんは抜かりがない。
 さて、今回紹介するのは、寸葉さんから入手した静坐社の創立者小林信子宛の絵葉書である。静坐社については、平成28年5月の京都新聞にも出て、「京阪書房で小林参三郎『生命の神秘』を買ったら『京都新聞』に「静坐社」の記事が - 神保町系オタオタ日記」で紹介したことがある。信子の夫は、東寺内の済世病院で治療に岡田式静坐法を取り入れた小林参三郎院長である。夫の死後の昭和2年に静坐社を創立している。その静坐社の資料群は、末木文美士先生、吉永進一さん、栗田英彦先生の尽力により散逸を免れ、国際日本文化研究所に所蔵されている。
 入手した絵葉書の消印は不鮮明だが、大正9年10月の第1回国勢調査紀年の切手が使われ、裏面が「大正十年日曜表」なので、大正10年初頭の発信だろう。発信者は、銀座の志村保子。文面がよくわからない(^_^;)自分はまだ床についているが、追々快方に向かいそうなので、心配御無用とあるのは分かった。信子夫人宛の葉書が古書市場に出たとすると、岡田虎二郎や静坐社の関係者からの書簡も出回っているのだろうか。
 日文研には、静坐社の機関誌『静坐』(昭和2年3月創刊)のほぼ完全なコレクションが存在する。「岡村敬二先生がブログで大連静坐会について言及 - 神保町系オタオタ日記」で紹介したように、既に岡村敬二先生が利用されている。せっかくの貴重な資料も、利用されなければ意味がない。そのためにも、総目次の作成が期待されるところである*1
追記:ネットで読める栗田英彦「南山宗教文化研究所所蔵静坐社資料 解説と目録」によると、志村保子は信子夫人の母である。