神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

白川書院の臼井喜之介宛中村直勝の『中村直勝日本史』に関する書簡

f:id:jyunku:20210611182117j:plain
 3年前に文庫櫂から白川書院の臼井喜之介宛中村直勝書簡を購入。1通500円。「臼井書房の臼井喜之介と野薔薇詩社の稗田菫平 - 神保町系オタオタ日記」等で紹介した富山の詩人稗田菫平宛書簡群の中になぜか紛れていた。4通あって、内容は
・昭和38年2月10日付け 『京の仏さん』の型を四六版にしてほしいことや中村直勝日本史の連載について
・昭和41年11月8日付け 12月号の原稿で日本史第3冊は打ち切り、続く中世の部の原稿について
・昭和42年2月20日付け 日本史第4冊の原稿と第3冊の加筆について
・昭和44年4月2日付け 手紙と金1万円送付への礼
 『京の仏さん』は昭和38年5月白川書院から刊行された『京の仏たち』と思われる。『中村直勝日本史』は、第1冊が40年1月、第2冊が同年11月、第3冊が42年10月、第4冊が46年7月刊行。『中村直勝著作集』12巻(淡交社、昭和54年1月)の「中村直勝著書及論文目録」では連載の確認ができないが、文面から白川書院の雑誌『東京と京都』(44年6月から『京都』に改題)に連載されたのだろう。前2者の便箋には「雙柏園用箋」*1と後2者には「禾カ(?)軒箋」「小足軒箋」と印刷されている。
 全集12巻の座談会で、林屋辰三郎は「先生は、非常に丹念な日記をつけている」と発言している。この日記は、今どうなっているのだろうか。

*1:国文学研究資料館の蔵書印データベースに中村の「蔵書印DB双柏文庫