三村の書には、様々な「新猶主義関係の人々」が登場する。
伝書鳩の研究から、秦氏ユダヤ人説を提唱した日下部照を紹介しよう。
氏の研究によれば、山鳩は日本島に発生した所謂「日本鳩」であるが、神社などにいる所謂「宮鳩」は渡来種だというのである。
(中略)この「宮鳩」の原産地をたずね、どういう経路をへて日本に渡つたか、なぜ「お宮」の境内に住むようになつたか、いろいろ追求するうちに「鳩と八幡」「八幡宮と秦氏」「秦氏と鳩」等に思い至り、「秦民族の発生地」は果してどこか、ということになり、ついに「秦氏の故地はユダヤ」であるという結論に達したということである。」
なんか、これだけではよくわからんが、トンデモ本のにおいがするなあ。
日下部の経歴は同書によると、
大正 7年 少尉
8年 陸軍省軍務局軍用鳩調査委員としてフランス留学
12年 軍部の反ユダヤ的指導方針に不満を抱き中尉で退役
昭和10年 満鉄で「伝書鳩育成所」創設
15年 北京に日下部鳥類研究所設立
20年 日本ヘブライ研究所創設
軍用鳩調査委員!
黒岩比佐子さんの『伝書鳩』にも出てきてた。
日下部は伝書鳩のプロみたいだ。日ユ同祖論関係では、全然聞いたことのない人だが、
「南京鳥類図譜」「宮鳩文化史」の著述があるらしい。おそらく、後者に「秦氏ユダヤ人説」が出てくるのだろう。どこかの均一台に落ちてないかしら!?
伝書鳩から最後には日ユ同祖論に到達してしまった。
トンデモないことだなあ・・・