神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

三高教授中村直勝から大津市の関蝉丸神社元社掌の三上左也宛年賀状

今月の平安蚤の市では、中村直勝の大正15年の年賀状を購入。娘2人の写真が載っているだけで、直勝そのものを研究しているわけではないが、200円なので買ってみた。直勝は当時第三高等学校教授兼京都帝国大学文学部講師で、翌年同学部助教授に昇任している。 …

柳田國男「炉辺叢書刊行趣旨」掲載の『郷土研究社図書目録』

数ヶ月前に平安蚤の市で、田中緑紅日記と同じ出所の物という図書目録を購入。てっきり田中が主宰した郷土趣味社の図書目録と思っていた。しかし、よく見たら岡村千秋が創立した郷土研究社の図書目録(以下『図書目録』という)であった。 本書は、柳田國男「炉…

寸葉会で発見されたスター食堂の社内報?『スター食堂ニュース』57号(昭和14年10月)

先日の寸葉会で購入した残る1点は、『スター食堂ニュース』(スター食堂研究部、昭和14年10月)である。国会図書館サーチではヒットしない。毎月1回発行とすると、昭和10年2月創刊ということになる。 斎藤光先生(@hikaru_sth)のツイート(平成31年3月3日)では、…

在野の怪物藪田嘉一郎と京都帝国大学教授の西田直二郎

9月9日京都新聞に没後30年を迎える松本清張の「先生」だった藪田嘉一郎に関する記事。有料配信の「THE KYOTO」の記事「松本清張が仰いだ京都の“怪物”(全5回)」(樺山聡記者。令和2年9月1日公開)の一部をあらためて紹介している*1。「藪田嘉一郎の古書店文林堂書店が…

寸葉会で新京極の興行新聞?『楽々新聞』2号附録(楽々新聞社、明治37年10月)を

今月は寸葉会ということで、行ってきました。ひげ美術からは2点購入。今回は、『楽々新聞』2号附録(楽々新聞社、明治37年10月)を紹介。明治期の京都にこんな新聞があったのかと購入、1,000円。楽々新聞社は、京都市下京区御幸町六角下ルに所在し、編輯兼発行…

帝国劇場戦後初の開演「銀座復興」(尾上菊五郎一座)のチラシ

平安蚤の市をのぞいてきた。例によって楽しみは、ナンブ寛永氏(@kan_ei_sen)出品の200円均一箱である。チラシ類の中に帝国劇場のものがあった。表紙に大東亜戦争が終結し、当劇場が新発足とあり、演目も「銀座復興」で面白そうなので、買ってみた。 『帝劇の五…

3年後に100周年を迎える森田慶一設計の楽友会館ーー京大総合博物館に展覧会を期待ーー

『明治大正大阪市史編纂日誌(下)』(大阪市史料調査会、令和4年2月)が出たので、上下巻を借りてきた。『大阪市史』の続編『明治大正大阪市史』の編纂事業開始(昭和2年)から事業終了(昭和10年)までの日誌の翻刻である。冒頭いきなり楽友会館が出てきた。 (昭和…

昭和5年名古屋で開催された怪談会ーーモズブックスで買った中西竹山宛佃野由兵衞葉書からーー

先日の阪神百貨店の古本まつりにモズブックスが参加することになって、驚いた古本者も多かっただろう。中之島公会堂の古本まつりの中止が何年も続き、絵葉書など紙もののマニアがモズの出店を待望していたが、ようやく実現したわけだ。ただ、日本絵葉書会の…

京都帝国大学総長山川健次郎とヤルート島学術調査ーー坂野徹『〈島〉の科学者』(勁草書房)への補足(その2)ーー

『山川健次郎日記:印刷原稿第一~第三、第十五』(芙蓉書房出版、平成26年12月)を見ていたら、第一次世界大戦で海軍が占領したヤルート島等の南洋新占領地における学術調査に関する記述があった。 (大正三年) 十一月九日 出。ヤルート島行の事にて中村氏に電…

『姫路の史蹟』(昭和15年)を書いた兵庫の郷土史家島田清ーー昭和戦前期における「観光コース」の使用例ーー

島田清『姫路の史蹟:特ニ増位観光コースの史蹟』は、平安蚤の市で200円で買ったのかな。昭和15年2月3日に姫路商工会議所で行った講演の概要のようだ。目次を挙げておく。 未知の人物だが郷土史家と思われる島田清や「観光コース」という用語に惹かれて、購…