神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

書砦・梁山泊の島元健作氏から貰った開かずの日記に隠された謎の暗号文ーー暗号を解ける日本のホームズはいるか?ーー


 数年前に書砦・梁山泊京都店の島元健作氏から鍵のかかった日記をいただいた。鍵がついてなくて、中は見られなかった。ただ、隙間から見える記述から昭和9年の日記で、旧制第三高等学校の寮歌「紅もゆる~」が書かれていることは分かった。三高の生徒の日記なら面白そうと思いながらも、開かずの日記のまま数年が経過した。
 ところが最近Twitterに日記の画像を挙げたところ、骨董屋の@pieinthesky氏が手持ちの鍵が合うかもしれないと御教示してくれた。早速骨董市に持参してくれた鍵を使うと、見事に80年以上の時を経て、開かずの日記が開かれた。これには、わしも驚いた。
 問題の三高の寮歌が出てくる記述だが、歌っていたのは日記の筆者ではなかった。1月6日の条で、筆者は寮歌を歌う三高生に出会い、自分はいつになったらあんな日が訪れるだろうかとの記述であった。結局筆者は高等学校への進学はできず、大阪歯専、薬専(京都薬専?)、同志社を受験しているようだ。「住所氏名録」に大阪の古米淑郎の名前が出ていて、古米はネットで読める「WEKO - 同志社大学学術リポジトリ」によると昭和11年3月同志社大学予科修了、戦後同志社大学人文科学研究所長になる人物なので、筆者は同志社大学の在学中に古米と知り合ったのだろう。
 日記の裏見返しには、サインがある。通常なら、日本人と思われる日記の筆者のサインだろう。ただ、英文に堪能な方に見ていただいたが、解読が難しいらしい。部分的に読める所だけでも、日本人の名前っぽくないようである。一方、本文中のアルファベットの練習と思っていたアルファベット群がどうやら暗号文らしいことに気付いた。数箇所あるが、一日分だけ写真を挙げておく。まさかとは思うが、サインも暗号化されているのかもしれない。

 アルファベットの小文字26個プラス大文字26個を使って、日本語の50音に対応させているのだろうから、簡単に解けるかと思ってしまった。しかし、単純に「abc~」→「あいう~」又は「いろは~」という対応関係にはなっていない。これこそ、人口知能なら簡単に解けるかもしれない。いや、むしろ「日本のホームズ」の登場が期待される。われこそはと思う方は、ぜひチャレンジしていただきたい。なお、文末に何度か出てくる「q(下線付)AH」は、暗号文でない文章によく使われている「だらう」の可能性がある。少なくとも、下線は濁音を表していると思われる。また、友人の名前としては石垣、藤井、中島、八幡、鷺野などが出てくる。解読の参考にしていただきたい。