神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

武林無想庵の渡仏を助けた京都初の洋画商三角堂の薄田晴彦

『洛味』(洛味社)も総目次が待たれる雑誌だが、289集(昭和51年10月)に島岡剣石「武林無想庵と京都」を発見。島岡は詩人で、京見峠に歌碑がある。『京の文学碑めぐり』(京都新聞社、昭和56年12月)によると、島岡は明治40年天理市生まれ。姫路高、京大で文学に…

『北方人』26号(北方文学研究会)が届く

盛厚三氏より『北方人』26号(2017年2月)を御恵投いただきました。いつもありがとうございます。 目次は、 創作/「鏡」のおんつあま 通雅彦 創作/理想郷チルワツナイ(Ⅱ) 哀神シュナイダー 随想/色紙について 池内規行 評論/釧路湿原文学史(7) 盛厚三 書誌…

性科学者羽太鋭治を殺した宮武外骨

木本至*1『評伝宮武外骨』(社会思想社、昭和59年10月)によると、外骨は二階堂招久『初夜権ーーJUS PRIMAE NOCTISの社会学的攻究』(無名出版、大正15年4月)の版権を南海書院(代表近藤久男)に売ったが、同社の出資者である羽太鋭治の「精力増進回春秘薬キング…

「発禁本」三田村鳶魚『瓦版のはやり唄』をめぐる謎

京都古書会館で図書週報編輯部編『明治大正発売禁止書目』(古典社、昭和7年7月)を拾う。52頁、1000円。ただし、金沢文圃閣の『図書週報ーー昭和前期書物趣味ネットワーク誌ーー』第10巻中に復刻されている。この中の大正15年8月の欄に「8*1○三田村鳶魚 瓦版…

原始藝術品蒐集者にして幼年美術研究者だった宮武辰夫のもう一つの顔

ツイン21の古本市で見つけた『民族と郷土』陽春号(民族と郷土社、昭和22年4月)。28頁、500円。民族と郷土社は、大阪府箕面牧落に所在。所蔵する図書館は皆無か。表紙は雪原にうづくまる裸の女性の写真。キャプションには「春の流水に祈るアラスカの娘」とあ…

フランス文学志向だった今村新吉博士

加藤一雄『京都画壇周辺』には、千里眼事件の今村新吉博士らしき人が出てくる。 因に言えば京大医学部は今村真吉博士の影響によって微かながらフランス趣味が漂っていた。今村さんは精神科の講義の時に、よく言ってたそうである。「おれの講義なんか聴くより…

京都市立美術工芸学校教諭の平野久吉

誰ぞの感化で最近は葉書にも手を出している。と言っても、絵柄よりも発信人や受信人が面白そうな絵葉書や官製葉書に関心がある。昨年入手したのは、京都市内に住んでいた平野久吉宛絵葉書を三枚。全然知らない人だが、一枚に「京都市立美術工芸学校平野先生…

四千冊集めた古書目録コレクター呉峯とは?

『百年一趣』上・下(土俗趣味社、昭和21年)、五千円出した甲斐があったようだ。呉峯生「古本販売目録に就いて」というのが載っていた。所蔵の古書目録を分類していて、地域別古書店数調では355店、地域別冊数調では総数4104冊(3792冊+即売会案内等312冊)、…