神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

大正期に健康法・民間療法書を刊行した伊藤尚賢

黒岩比佐子『パンとペン』342頁に『衛生新報』(衛生新報社発行、新橋堂発売)の発行兼編集人で大正年間に健康法や民間療法の本を多数書いた人物として、伊藤尚賢なる人物が登場する。実は、この人は黒岩さんの『『食道楽』の人 村井弦斎』にも名前が出ている。こんなことを覚えているのは、わしぐらいかしら。同書397頁の注に「一方、伊藤尚賢『健康法辞典』(丙午出版社、一九一九)には、弦斎式床上運動法と弦斎式自然運動法という項目があった。出典は明記されていないが、これは『弦斎式断食療法』の中の「床上運動法」と「自然運動法」の転載である」とある。

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日経新聞紀田順一郎氏、東京新聞成田龍一氏による黒岩比佐子さんの『パンとペン』の書評が出ています。

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『COMIC Mate (コミック メイト)』の「南陀楼綾繁の活字本でも読んでみっか?」第117回は、外村彰・荒島浩雅・龜鳴屋編『したむきな人々 近代小説の落伍者たち』(龜鳴屋)。表紙イラストはグレゴリ青山さん。収録作品は、

武田豊「大きい生活と飛んでゐる背」
高瀬文淵「老武者」
安成二郎「松飾り癈止論者」
熱田五郎「ある日」
藤浦洸「ある父」
那須辰造「秋の一頁」
井上立士「魔笛
埴原一亟「翌檜」
椎名頼己「第五十六号室の男」
榊山潤「頽廃の顔」
安久昭男「君の知らない三月が来る」
網野菊子「質問」
伊藤茂次「亭主の顔」

凄いラインナップ、ていうかほとんど知らない人ばかりだ。埴原一亟「翌檜」は、古本屋を営みながら小説を書いた著者の私小説的な作品だという。これは、面白そう。龜鳴屋は、いつぞや猫猫先生に教示された『稚兒殺し 倉田啓明譎作集』を出した出版社。南陀楼さんによると、『したむきな人々』の売れ行きがよければ、続編『むきむきな人々』出すつもりという。ほんまかいな。