神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

武林無想庵と天羽英二

これは黒岩比佐子さんの生前から持っていたネタだが、あまり深みがないので、ほおっておいたもの。結局、黒岩さんに見てもらえる機会はできなかった。

天羽英二の日記に、武林無想庵が出てくる。

昭和12年8月27日 来 水野錬太郎 武林無想庵

無想庵は、娘のイヴォンヌが二度めの自殺未遂をしたという報道を受け、この年の5月に神戸を出発。シベリア経由でフランスに行き、6月モンパルナスのアトリエで、イヴォンヌに再会している。11月イヴォンヌを連れて香取丸で帰国。天羽は、当時スイス駐箚公使兼国際連盟帝国事務局長だが、無想庵はどういう用件でスイスに現れたものか。それと、余談だが、天羽は神戸高商でぐろりあ・そさえての伊藤長蔵と同級生であった。

黒岩さんは、『東京人』2008年10月号の「アウトロー列伝特集」に「稀代の美男にして、コキュ。 文士 武林無想庵*1を書いている。

作家としては失敗した、と評されている武林無想庵だが、大正期のダダイストとして忘れがたい一人である。

黒岩さんは、無想庵について、まだまだ書きたいことがあったのではないかと思う。

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菅原健史氏の好きそうな本が出てた。 関谷博幸田露伴の非戦思想 人権・国家・文明 <少年文学>を中心に』(平凡社)。

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明日は、これ。岩波書店の人は前回の角川(見ていたのは27人程でした)に負けないよう見ましょう。

第5回「本の現場シリーズ 元・岩波書店編集 星野紘一郎さんが語る『「食道楽」の人村井弦斎』と黒岩比佐子さんのこと」
2011年2月23日(水)20:00〜生中継@上野・オーガニックフード&和カフェ「めぐり」
http://p-man.tv

*1:2頁しかないため、原則として3頁以上のものを収録する国会図書館の「雑誌記事索引」には収録されていない。