神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

小杉天外の喜寿祝賀会と里見とん


これも戦時下の里見とんの一エピソード。徳田秋聲の日記*1によると、

昭和16年11月15日 この日鎌倉ペンクラブで小杉天外氏の喜寿の宴あり、それに先立ち二時から第一国民学校の講演に臨む。十一時何十分かの汽車で行つたのだが、著いてみると、時間はやゝ早く、里見、久米、大佛、深田などいふペンクラブの人達が準備に忙しい。(略)
南蒲園の祝宴では鎌倉気分がたゞよひ、楽しい数時間を送つたが、久しぶりで逢つた田中純氏は森ケ崎以来で、今夜自宅で一泊しろと勧められた。里見氏もちようど熱海へ行くところで、私がちよつとその気持も動いて、これから熱海へ行かうか知らなどと口走つたので、同道をすゝめられたりしたが、兎に角帰ることにした。


この時の講演は、徳田、神崎清、里見が行っている。

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平凡社コロナ・ブックスの『作家のおやつ』に、森茉莉も出てきますた。

*1:徳田秋聲全集 別巻』(八木書店、2006年7月)