神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

酒井七馬餓死伝説の崩壊


一時期、出版社のPR誌にはまっていたが、最近はほとんど読まなくなっていた。しかし、たまたま拾った「ちくま」8月号には瞠目すべき記事がある。
中野晴行酒井七馬の謎」がそれである。
酒井七馬は、あの手塚治虫の『新宝島』の原作・構成を担当した人。
通説によれば、手塚は『新宝島』の奥付に自分の名前がないことに憤慨して、酒井と決別。酒井は、晩年コーラで飢えをしのぎ、裸電球を布団に引き込んで暖をとり、とうとう最後には餓死したという。


しかし、中野はこの伝説を疑い、生前の酒井と親しかったマンガ家・大坂ときに教えてもらった酒井の墓所を訪ねることから、謎解きの旅を始めたという。詳しくは、次号以降展開されるようだ。


酒井の名前は、『新宝島』の写真で見ただけの私だが、記憶に残っている名前である。何事も、定説や伝説は疑わなければならない。これもその良い例の一つである。