神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

10周年を迎えるフリペ『フリースタイルな僧侶たち』を生んだ京大教授の口癖

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丸善で『フリースタイルな僧侶たち』55号をもらってきた。平成21年8月創刊で今年が10周年とのこと。初代・第2代の代表(池口龍法氏、若林唯人氏)に対する現代表加賀俊裕氏のインタビューを掲載。池口氏が語る創刊時の状況。

(略)ヒントにしたのは、意外かもしれませんが、新宗教の布教活動でした。当時は知恩院に通勤するために毎朝京都の四条大橋を渡ってたんですけど、いつも『目覚めよ』という冊子を配るエホバの証人の方がいまして、ほぼすべての人は警戒してスルーしてましたけど、めげずにやりぬく努力はすごいなと。だから、負けないぐらい努力しようと考え、無料で手に取ってもらえるフリーペーパーを発行することにしたわけです。それが10年前です。(略)

創刊後大騒ぎになり、毎週メディアから何本も取材を受けたという。確かに、私もネット上で異色のフリペとして話題になったのを覚えている。
京大の広報誌『紅萠』に池口氏が登場したのも拝見したことがある。ネットでも読める26号,平成26年9月だが、「巻頭エッセイ 私を変えた、あの人、あの言葉」欄に「Don't leak the water!!」が掲載された。京大でインド及びチベットの仏教学を研究した池口氏の大学院時代、研究室の教授は口癖のように「文献というものは、水も漏らさぬように読むんです」、特に「アメリカやヨーロッパの研究論文も水も漏らさぬように読み尽くせ」と言っていたという。そのため、「Don't leak the water!!」が研究室仲間の合い言葉になった。教授は、サンスクリットチベット語、漢文の読解は勿論、英語、フランス語、ドイツ語は読解のみならず会話もできるようにと要求したらしい。池口氏は、このままでは学生生活は語学の思い出しか残らなくなると、サークル活動に耽り、院を中退し、僧侶になった。事情に疎いのでどういう先生か知らないが、お眼鏡にかなうような優秀な院生はいたのだろうか。
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