神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2015-01-01から1年間の記事一覧

金子明雄「「風俗壊乱」へのまなざしーー日露戦後期のをめぐって」『検閲の帝国』

紅野謙介・高榮蘭・鄭根埴・韓基亨・李惠鈴編『検閲の帝国 文化の統制と再生産』(新曜社、2014年8月)の金子明雄論文の冒頭。 日本における出版統制や検閲についての研究をふり返るとき、その情報集積の基軸を担ってきたのが、いずれも印刷物の蒐集に常人に…

下田光造『下田精神鑑定集』(鳥城会、昭和48年12月)

南部古書会館で月の輪書林出品1000円(ガレージで売ってた割には高い)。序文によると、「主として余が大正より昭和初期に亘り九州帝国大学医学部精神病学教室に教授として勤務していた期間中、裁判所から委嘱された精神鑑定三十四例を集録したもの」。また…

『落札価格年報昭和四十三年度』(明治古典会、昭和43年4月)

「daily-sumus2」で昭和四十一年版を紹介しておられたので、わすは四十三年版を。名古屋の山星書店で購入。限定300部の内141番。旧蔵者は、大國至宏。「巻頭のことば」によると、「昭和四十二年中に、明治古典会の入札会で落札された古書及び古本の落札価を…

『日本近代文学館』266号(日本近代文学館、2015年7月)の山尾悠子「マルセル・シュオッブ全集のこと」

『日本近代文学館』で山尾悠子さんの「マルセル・シュオッブ全集のこと」を読む。国書刊行会の同全集の担当者I氏とは30年以上前に同社の仏蘭西世紀末文学叢書の『黄金仮面の王』の月報に氏の依頼で一文を寄せてからのつきあいだという。 この度の全集刊行で…

『日本書票協会通信』82号別冊「日本の書票集書目 大正11年ー昭和60年」(日本書票協会、昭和61年1月)

アスタルテ書房の閉店半額セールで150円。巻頭に吾八書房社長今村喬「戦前の蔵書票界の事始め」。 大正十一年、失敗に終わった香取緑波氏の蔵票同好会の後を継ぐようなかたちで日本蔵票会が東京で発足した。これは我楽他宗を母体にしたもので、滝島余加乱、…

『鬼ケ島通信』48号(鬼ケ島通信社、2006年12月)特集「マンガと児童文学」

大阪の「本は人生のおやつです!!」で購入。「マンガと児童文学」特集で、佐藤さとる氏と山中恒氏の対談「マンガが宝物だった!」や、巻頭の萩尾望都「子どもの頃の読書体験から」などを掲載。萩尾氏は、子どもの頃にどんな本を読んでいたかという質問に、 『…

『音読』3号(2011年3月)「ほんやら洞」特集

「おとよみ」と読む14頁のフリペ。アスタルテ書房の閉店半額セールで50円。ほんやら洞店主の甲斐扶佐義氏や詩の朗読会の主催者だった片桐ユズルさんへのインタビュー、国分寺ほんやら洞と西陣ほんやら洞の紹介あり。今出川寺町のほんやら洞は、今年1月焼けて…

『月刊島民中之島』82号(2015年5月)特集「中之島図書館はすごかった。」

京阪電車主要駅や書店などにおいてあるフリペ。東京では、往来堂書店、BOOKSルーエなどにもあるらしい。この号は、4月にリニューアルオープンした中之島図書館の特集。ビジネス支援課司書の小笠原弘之氏と大阪資料古典籍課司書の灘井雅人氏がインタビューに…

かわじもとたか『序文検索2箇目 序文跋文あれこれ』にオタどんと書物蔵さん

杉並けやき出版から昨年7月に刊行された本書に、わすが登場。 一つ目は見出しにも出てくる。 48.生方敏郎(「神保町系オタオタ日記」にみる)。 さて生方敏郎だが、ネット検索していたら、またまたブログで「神保町系オタオタ日記」に遭遇した。そしてここに…

日本古書通信社編集部編『改訂基本図書時価便覧』(日本古書通信社、昭和27年11月初版・28年10月2版)

ツイン21で、古書あじあ號出品の800円。46頁の小冊子。「まえがき」によれば、 図書館や学校で図書購入の予算を編成する時、業者が古本相場を調べる時の参考のために、編集部において図書の選択、分類をなし更に各専門店の意見を聞いて検討してこゝに発表し…

板垣芳男『業』(板垣芳男発行・厚生閣書店発売、昭和7年9月)

8月9日に閉店した水明洞の半額セールで裸本500円。堀口九萬一宛献呈署名入。板垣の第二詩集かつ最後の詩集だという。堀口大學に献呈するのなら分かるが、父親の九萬一とも交流があったのだろうか。室生犀星の序によれば、 板垣君と僕とは十四五年来の友人で…

『松竹座ニュース』29号(松竹座、昭和13年7月?)の「血の敵」と「ゾロツク」

六甲の口笛文庫で拾う。映画には興味がないけど、めくって見たら、「性病映画と講演の会/主催・保健衛生キネマ協会」の見出しがあったので購入。「血の敵」という製作独逸プレゼンス・フヰルム社、監督ワルター・ルツトマンの映画の宣伝で、日本語版には高…

桃源社営業通信特別号『桃源』8号、1968

アスタルテ書房の閉店半額セールで2500円(;´∀`) ちなみに閉店時期は未定で、もうしばらくはセールがあるらしいが、油断してると突然閉店になってるかもしれないので、まだ行ってない人はお早めに。 16頁の小冊子にしては、値段は高めだが、誰ぞが「『桃源…

鹿島茂「神田神保町書肆街考」にオタオタ日記

いささか古いネタではあるが、『ちくま』2月号の鹿島茂「神田神保町書肆街考56」に拙ブログが引用されました。 ここまで書かれれば、九十年近く経過した今でも、舞踏家としての田沢千代子さんがその後どうなったか気になるところである。そこでネット検索を…

天野敬太郎編『図書館総覧』(文教書院、昭和26年9月)

今はネット販売専門になってしまった水明洞の閉店半額セールで1500円。目次に記載はないが、137頁に「図書館を記す文芸作品」というコラムがある。 図書館を記す文芸作品 発行年 著者 書名 内容 明治 7 上条信次訳 開花進歩後世夢物語 8 近藤真琴訳 新未来記…

『漫画世界』創刊号(漫画世界社、昭和24年10月)

市内の古書店で掘り出して800円。相場はいくらだろうか。目次は、 表紙 小野佐世男 オフセツト色印刷頁 漫画集団 横山隆一 村山しげる 小野佐世男 横山泰三 ユートピア特集 ユートピヤ 和田義三 ユートピアシート 金親堅太郎 おゝ憧れのユートピヤ 加藤芳郎 …

蔦屋書店の「夏の古書市」では、澁澤龍彦責任編集『血と薔薇』 創刊号(天声出版、昭和43年11月)を

初めて行った梅田の蔦屋書店。ミニ古本市をやっていて、天牛書店出品の上記2500円を。ビニール袋に入っていたので、開封してもらって「お詫び」の紙が挟まっているのを確認して、購入。「お詫び」の内容は、次のとおり。 お 詫 び 「血と薔薇」創刊号の一部…

『日本古書通信』創刊号(日本古書通信社、昭和9年1月)

『第28回下鴨納涼古本まつり目録』で注文したもの。創刊号ー63号(11年9月)(21号附録、32号号外を含む)、83号(12年7月)ー99号(13年4月)で33000円。目次は、『日本古書通信総目次』があるので、省略。「大阪通信」には、京都昭和図書館で9年1月10、11日に「和…

阪急うめだ本店スーク蚤の市で『吾妻ひでお大全集』を

図書館ならぬ古本市を逃げ場所にしようと、阪急うめだ本店のスーク蚤の市でやってる古本市へ。「ON THE BOOK」「古書ダンデライオン」「本は人生のおやつです!!」らが出品。懐かしき『吾妻ひでお大全集』奇想天外臨時増刊号、『マンガ奇想天外』10号を見つけ…

『ふぐるまブレティン』創刊号(文車の会、昭和50年6月)

阪神夏の古書ノ市で他の号と併せて入手。出品したハモニカ古書店*1は、ネット上の「ハモニカ雑記」で「完売するとは思いませんでした」と書いているが、すみません、買い占めたのは私です。なお、同ブログには1ー76号とあるが、実際は1ー82号で、内53、73、7…

合同古書目録『書燈』1号(書燈会事務所、昭和8年1月)

京都の丸太町通と河原町通周辺の古書店が「書燈会」を結成して発行した48頁の合同古書目録。発行所の書燈会事務所は、京都市丸太町通川端東に所在。同会の参加店は、 成文堂 長谷川庄一 旭堂 細井弥五郎 京屋 加藤元三 春正堂 竹岡利一 国井書店 国井為次郎 …

『実話雑誌』9号(実話雑誌社、昭和23年1月)の「心霊座談会 専門家が語る霊魂の秘密」

これも大阪古書会館で拾ったもの。800円位だったか。「心霊座談会」が掲載されている。出席者は、 心霊研究家 岡沢浄吉 僧侶 羽田芳流 観相研究家 松永対岳 霊術研究家 藤村瑞久 幽霊研究家 道島真三 実話雑誌社 畠山晴行 冒頭、藤村の「手相と言えば、戦時…

前川真澄編『徐福』(新宮保勝会、昭和15年5月)

市内のA古書店で1000円。38頁の冊子。「結語」が大正15年秋に書かれ、続く「本書第三版発行に際し」は昭和15年春に書かれているので、本書は第三版である。国会図書館が所蔵する昭和9年版が第二版ということになる。トンデモ本の要素は無さそうである。 35頁…

『明治古典会々報』18号、昭和37年3月

これも大阪古書会館で500円。16頁の小冊子で、ちょっと高いかなと思いつつ、揃いに出会う機会は少なそうなので、バラでいいかと拾っておいた。「鴎外生誕百年記念特輯」で、目次は、 鴎外の評価 成瀬正勝 鴎外雑記 岡野他家夫 回想の古書籍 小堀杏奴 雅号鴎…

『木馬』10号(京都児童文化研究会,昭和24年8月)

大阪古書会館で500円。ガリ版20頁。大分前から見かけたけど、売れ残っているので、私が引き取った。所蔵する図書館は、皆無か。 目次は、 童話 しーびー 高山友江 童話 兵たい人形とあひる 金子欣哉 童話 かえるの学校 高田修 童話 月かがみ 鴨原一穂 童話 …

児童雑誌『めばえ』終刊号(和歌山県有田郡箕島尋常高等小学校内めばえ会、大正12年9月)

市内の古書店で500円。『日本新教育百年史』第6巻によると、「めばえ会」は、鈴木三重吉の『赤い鳥』刊行を契機として全国に広がった芸術殿教育運動の一環として、大正11年に創立された。箕島小学校の中野伝一、保田小学校の佐藤毅、佐原正道などが中心にな…

『ほん道楽』巻の一(茂林脩竹山房、大正14年11月)

めっせにて500円で拾う。22頁の小冊子の古書目録。所蔵する図書館は皆無か。発行所は、清水市江尻海岸に所在。『日本古書目録大年表』によれば、2号は、大正15年3月発行。 「はしかき」に、 見たもの欲しいといふ自分の愛書道楽は、いつまでたつても止みそう…

『読書週間記念内外諸名家秘蔵珍稀本展出陳目録』

先日拾った昭和26年11月6日から11日まで日本橋三越で開催された「読書週間記念内外諸名家秘蔵珍稀本展」の目録。主催は社団法人日本出版協会。一種の蒐集家名簿でもある。 出陳者は、匿名者を除き、次のとおり。 木村毅 小倉重勝 青園荘内藤政勝 植田秀 吉田…