神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

天野敬太郎編『図書館総覧』(文教書院、昭和26年9月)

今はネット販売専門になってしまった水明洞の閉店半額セールで1500円。目次に記載はないが、137頁に「図書館を記す文芸作品」というコラムがある。

図書館を記す文芸作品
発行年 著者 書名 内容
明治 7 上条信次訳 開花進歩後世夢物語
8 近藤真琴訳 新未来記
30 小栗風葉 恋慕流し 築地女学校図書館
34 徳富蘆花 思い出の記 上野の図書館
40 田山花袋 蒲団 上野の図書館
41 夏目漱石 三四郎 東大図書館
大正 4 有島武郎 迷路 米国婦人図書館員と日本研究生との恋愛
6 谷崎潤一郎 ハツカ[ママ]ン・カンの妖術 上野の図書館
6 正宗白鳥 波の上 図書館員の待遇問題
7 菊池寛 無名作家の日記
9 菊池寛 出世 上野の図書館
10 佐藤春夫 都会の憂鬱 閑人の図書館通い
12 加能作次郎 幸福へ
14 高倉テル 阪 京大図書館
? 豊島与志雄 溺るるもの1ある図書館員の話 図書館員待遇
昭和 2 宮地嘉六 累・素足でゆく旅人 図書館の本の粗略な取扱い
2 益田甫 ルツボはたぎる
2 喜多村進 青磁色の春の中「地平線」
2 須田正二 美しき水の誘惑 早大図書館図書館員待遇

文芸作品と図書館の関係については、その後も研究があるそうで、『日本古書通信』昨年4月号の小西和信「文芸作品に描かれた「図書館」入門」に様々な研究が挙げられている。ブログにも言及されていて、「「書物奉行」氏のブログ『書物蔵 古本オモシロガリズム』や「jyunk」氏のブログ『神保町系オタオタ日記』なども欠かせない大事なツールである」とある。拙ブログに言及していただき、ありがとうございます。