神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

府立大阪博物場の入場券ーー明治・大正期現マイドームおおさかの地にあった博物場ーー


 昨年開催された展覧会で特に記憶に残るものの一つが、大阪くらしの今昔館の「なにわを語る明治・大正・昭和の絵葉書」である。日本絵葉書会創立二十周年記念展も兼ねた展覧会であった。日本絵葉書会の会員が所蔵するお宝の絵葉書がこれでもかというくらい大量に出品されていた。第5回内国勧業博覧会明治36年)関係、大大阪記念博覧会(大正15年)など大大阪時代関係、大阪画壇関係のほか、特に趣味人による絵葉書が圧巻であった。情報量が多過ぎるのと観た傍から記憶から消え失せていくお年頃なので、2回観に行ったがほとんど忘れてしまった。幸い図録代わりに、絵葉書会発行(令和元年5月)の『絵葉書「大大阪時代となにわ人士」』(千円)を売っていたので、それを見て思い出している。
 府立大阪博物場中央館(写真?)と入場券(絵画)が載る絵葉書(推定:明治40年4月~大正7年3月)が出ていて、これは展覧会にもあった。大阪博物場は、明治8年マイドームおおさかが建っている地に創立された施設である、それで、6年前に三密堂の100円均一で買ったスクラップ類の中に同博物場の入場券があったことを思い出した。入場券等が10枚貼られていた中の1枚である。冒頭に写真を挙げておいた。「二四」という番号が手書きされていて、時期は不明だがこの日の24番目の入場者と分かる。「府立大阪博物場」の公印も押されている。これを見ると、入場者が列をなす中、お役所仕事の受付がその都度一枚一枚番号を書き、公印を押す姿を想像してしまう。
 なお、展示されていた絵葉書に描かれた入場券は昔の鉄道の硬券切符タイプのもので、端に入鋏され、公印は押されていないようだ。おそらく、私が入手した公印を押す入場券の方が古く、その後硬券切符になって押印を廃止したのだろう。