神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

東洋民俗博物館の九十九豊勝と足立史談会の福島憲太郎

寸葉会*1で入手した九十九豊勝(奈良県生駒郡伏見村あやめ池畔)宛の年賀状。差出人は東京市足立区千住阿原町の福島憲太郎。昭和12年の年賀状で、裏面には「千住小板絵馬・丑」の字と黒い牛の版画が印刷されている。
九十九豊勝については、山口昌男内田魯庵山脈』などを見られたい。フレデリック・スタールの通訳をしたり、あやめ池畔で東洋民俗博物館を開設していた。
福島憲太郎については、中野三敏・後藤憲二共編『近代蔵書印譜』五編(青裳堂書店、平成19年2月)に蔵書印が収録され、その解説によると、

福島憲太郎 平成十二年六月十四日没、年九十八。足立史談会の重鎮として活躍、特に俳人巣兆とその周辺の古書収集で知られ、巣兆俳書のコレクションはほゞ完璧ではあったが没後市場に売り立てられ、散逸。

なお、「蔵書印データベース」でその蔵書印「憲太楼蔵書」が見られる。この福島と年賀状の差出人である福島は同一人物と見てよいだろう。寸葉会には九十九宛書簡が何回か出て、私は他にも九十九宛葉書を入手しているので、気がむいたらブログにアップしよう。

*1:京都で開催される絵葉書を中心とした紙ものの即売会