神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

蔵書票コレクター原野賢吉

関西学院大学博物館では「ポスターでたどる戦前の新劇展」を7月21日(土)まで開催中。同博物館は瞠目すべき展覧会が多く、2015年10月19日-12月12日に開催された「蔵書票(本を彩る版画)を愛した男ーー蒐集家原野賢吉の軌跡ーー」も非常に良かった。関西学院大学は2007年に原野賢吉(1922-2014)からコレクション「芥舟文庫」の寄贈を受け、2度コレクション展を開催。2回の展示を踏まえ、原野が蔵書票を蒐集するようになった経緯やその活動、そして蔵書票以外にも関心を寄せた趣味のものに触れることで蒐集家としての原野の足跡を辿る展覧会を開催したわけである*1。59頁の図録はお得な700円で販売中。売り切れて古書価が付く前に買っておきませう。目次は、

ごあいさつ
展覧会の概説 蔵書票を愛した男ーー蒐集家原野賢吉の軌跡ーー 高木香奈子
図版
Ⅰ部 蔵書票を愛した男
蔵書票豆知識1 蔵書票とは
蔵書票との出会い
日本の作家に制作依頼した原野蔵書票
蝶の蔵書票
原野賢吉制作の版画と蔵書票
蔵書票豆知識2 蔵書票の入手の仕方
原野賢吉自作の蔵書票集
蔵書票豆知識3 蔵書票集と書票暦
日本蔵票会発行の蔵書票集
日本蔵書票協会発行の蔵書票集
日本書票協会発行の蔵書票集
日本書票協会発行の書票暦
原野賢吉編纂の蔵書票書目
Ⅱ部 蒐集家の書斎 芥舟文庫
版画
推理小説
豆本
資料
参考図版
版式の説明
作家紹介
作品リスト
参考文献

私は2冊買って、山高登氏の蔵書票が載っていたので、ちょうど九濃文庫の「山高登 装丁作品展」の後京都に寄っていたかわじもとたか氏に1冊差し上げた。もっとも、蔵書票まで手が回りませんとおっしゃっていた。
なお、原野の蔵書票は関西学院大学博物館のホームページから見られる→「http://museum.kwansei.ac.jp/works/category/art/harano

*1:図録の高木香奈子「展覧会の概説」による。