神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

九十九豊勝訳・発行のフレデリック・スタール『絵馬』(東洋民俗博物館、昭和5年)

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 これは「日本の古本屋」で注文したか。フレデリック・スタール著、九十九豊勝訳『絵馬』(東洋民俗博物館昭和5年12月)。「跋」によれば、スタール博士が大正9年亜細亜協会で講演した「絵馬」を纏めた原書の翻訳である。九十九が大正14年鹿児島県鹿屋中学在任中に翻訳したという。
 巻頭にスタール「あやめ叢書刊行に就いて」があり、「私は過去十五年間九十九豊勝君の伴侶として彼の興味深い仕事を監視して来た」とある。本書があやめ叢書の1冊目で、予告の広告もある。
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 「あやめ」は東洋民俗博物館のある奈良県生駒郡あやめ池からとったのだろう。『朝鮮仏教』が第2巻として昭和6年2月に発行されたことは確認できる。他は刊行されたかどうか。「人人本」である斎藤昌三『三十六人の好色家』(有光書房、昭和48年4月)で九十九を紹介している中にスタールの著書『フジヤマ』に言及しているので、同書が原書を指すのでなければ、あやめ叢書から翻訳が出ているのだろう。
 九十九は、大正10年早稲田大学専門部政治経済科卒。大正14年の『早稲田大学校友会会員名簿』では、職業は著述翻訳業、住所は鹿児島県肝属郡高山村(現肝付町)。昭和3年版では、東洋民族[ママ]博物館長となっている。
参考:「東洋民俗博物館の九十九豊勝と足立史談会の福島憲太郎 - 神保町系オタオタ日記
大正4年お札博士フレデリック・スタールが京都府立図書館で見た納札集 - 神保町系オタオタ日記