神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

いもづる同人にして我楽他宗第六番札所、藤浪吟荘の藤浪銀蔵

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 いきなり似顔絵をアップ。拙ブログの読者の数名は、書砦・梁山泊京都店の島元さんと思っただろう。しかし、別人で藤浪銀蔵という人の自画像である。数年前モズブックスから800円で入手した絵葉書の裏面である。Twitterでヲガクズ氏(@wogakuzu)が、今月3日に四天王寺秋の大古本祭りで見つけた昭和12年5月の中山香橘宛田中與一郎の絵葉書を紹介していた。それが、藤浪の藤浪吟荘作成であった。
 藤浪については、かの名著山口昌男内田魯庵山脈』の「人名索引」では、「藤波[ママ]銀蔵(吟荘、陶老)」で挙がっている。『以茂図流』*1改巻5輯,大正13年7月の「当世超人非超人略伝(一)」や芦湖山人「日本近代畸人録ーー箱根趣味塚由来」『グロテスク』昭和4年5月号で紹介されているようだ。また、三田平凡寺の我楽他宗の一員で、第六番平凡山歓陶寺の札所であった。
 経歴は、冒頭で言及した絵葉書の表面下段に載っていた。慶應3年5月「武蔵隅田川の東岸向島寺島村」生まれ。生業は、木版錦絵手刷業。蒐集分野は、「螳ろう*2(カマキリ)但し玩具。陶。[ママ]磁焼物」。号は、刀弄、松岸、歓陶爺。住所は、大阪市西淀川区海老江町上2丁目である。趣味人の人物情報が載った絵葉書を一時期買っていたが、役に立つものである。

*1:正しくは、『以毛図流』

*2:虫偏に良