神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

黒岩比佐子さんへの遅すぎた報告

村井弦斎は、晩年一元同化力という霊術に頼った。これを開発したのは中尾弘明だが、その門人水村昌吉については、黒岩比佐子さんの『『食道楽』の人 村井弦斎』に、

弦斎が一元同化力を知るきっかけになったのが、この水村昌吉という人物である。弦斎の「婦人世界」の連載以外に、一元同化力について書かれた文献は見つけることができなかったが、唯一、水村が書いた二十ページの小冊子があった。その冊子のタイトルは「一元同化力の理法と其応用」、発行日は一九二八(昭和3)年三月十八日、著者は「一元同化学会会主 水村昌吉」である。

とある。この水村に関する資料を発見して、黒岩さんに報告したことがあった。「古書の森日記」2009年9月9日だ。

7. Posted by 神保町のオタ 2009年09月14日 16:54
 た、大変です。『サンデー毎日』の総目次によると、あの水村昌吉が2回とも「一元同化療法」というタイトルで、8巻15号(昭和4年3月31日)と9巻30号(昭和5年6月29日)に書いているようです。黒岩さんの紹介している小冊子に書いていないことが書いてあるかは不明ですが、御参考までに。お疲れのところ、お騒がせしました。

8. Posted by Hisako 2009年09月14日 20:17
 神保町のオタさま、落ち着いてください(笑)。「一元同化」と聞いて興奮するのは、多くても日本全体で3人くらいでは……。オタさんと、私と、某氏と。
 いや、貴重な情報をありがとうございます。ウーン、ここに来て、また「水村昌吉」の名前に出会うとは。それにしても、オタさんの情報収集力には驚きです。

9. Posted by あきやま 2009年11月22日 19:06
 Hisako様、初めまして。
 水村昌吉の三女(現在83歳,アメリカ在住)の親類の者です。彼女から”一元同化”の話を何度も聞いた事がありますが、何の事やら訳分からず聞き流していました...
 もしご興味が有りましたらご連絡下さい。

あっ、2009年11月22日に水村の関係者から連絡があったようだ。この日は入院が決まった頃だ。その後、連絡される機会はあっただろうか。ところで、「「一元同化」と聞いて興奮する某氏」って、ma-tango氏だったのだろうか。それとも、別の人?

サンデー毎日の記事は、その後見たが、確か広告みたいなものだったと思う。今回、新たな資料を発見した。『昭和六年毎日年鑑』の附録『家庭医典』(大阪毎日新聞社東京日日新聞社昭和5年10月)所収の医学博士岩野政太「医学から見た精神療法」である。中尾弘明が創始した一元同化療法が、ある種の病気に素晴らしい効能があることを認めたとして、同療法をモルモットに施した実験を紹介している。昭和2年3月から5年1月にわたる実験で、水村昌吉の一元同化の術を施したモルモットとそうでないものにハブの毒を注射したりしている。結論として、「人間の有するある偉大な力が病気の上に働きかけることは、決して否定できない」としている。この岩野による紹介記事といい、サンデー毎日の記事といい、この頃の毎日と一元同化学会は何か特別な関係があったのだろうか。

またまた、黒岩さんが驚いてくれるようなネタを発見したが、ちょっと遅かった・・・

(参考)2008年7月27日に既に中尾について書いてた。

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モンガ堂さんが黒岩さんへの思いをつづったブログをまとめてくれている。→「http://d.hatena.ne.jp/mongabook/20101124