神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

波多野春房と波多野烏峰は同一人物か


有島武郎と情死した波多野秋子の夫波多野春房と大アジア主義者波多野烏峰の関係については、結局よくわからない。前者の波多野については、『第十四版大衆人事録東京篇』(昭和17年10月)に、

波多野春房 大日本連合火災保険協会 大日本火災保険協会 日本海上保険協会各書記長 杉並区高円寺四ノ五五五【閲歴】福岡県春麿長男明治十八年六月生る 明治義会中学修業 大正七年現協会に入り同九年現職に就く 宗教神道


とある。

後者の波多野については、ElMostafa Rezrazi「大亜細亜主義と日本イスラーム教−波多野烏峰の「諜報からイスラームへ」の旅」*1によると、本名は波多野養作で明治15年3月福岡県生まれ、福岡県立修猷館中学、東亜同文書院政治科卒。昭和10年7月没*2


生年*3、学歴、没年(春房の方は不明)が異なるので、別人ではないかと思うのだが、これ以上わからず。ma-tango氏による調査が待たれるところである。


(参考)「http://d.hatena.ne.jp/ma-tango/20090426

                                                        • -


山梨県立文学館で「太宰治展 生誕100年」開催中。


村上春樹の最新長編小説『1Q84』(新潮社)、5月29日発売らしい。どんな装幀を出してくるかだけ関心がある。

*1:『日本中東学会年報』12号、1997年

*2:猫猫先生昭和11年としている。もっとも、NDL−OPACに波多野烏峰『印度独立戦争』(錦正社昭和17年)という本があるので、烏峰の没年も伸びるか。

*3:大正12年3月26日の読売新聞では春房の年齢は42歳とされており、烏峰の年齢と合うようではある。