神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

 駒澤大学図書館の設計者菅原栄蔵


菅原定三『美術建築師・菅原栄蔵』(住まいの図書館出版局、1994年12月)を読んでいたら、菅原栄蔵という人は駒澤大学図書館(大正15年竣工)の設計者だった。

当時、学長として努力していたのは忽滑谷快天禅師であり、大学認可にあたって校舎増築のほかとくに当時すでに世界一の漢籍仏典の蔵書として有名なコレクションを収納する図書館の建設が急がれていた。この蔵書の管理は当時高名な印度哲学・サンスクリットの大家高楠博士があたっていたのであるが、筆者の推測では当時すでに仏教建築の権威としても著名であった伊東忠太が高楠博士の需めによって栄蔵を推薦したものと思われる。


同図書館は、現在は禅文化歴史博物館として健在のようである。

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正直言うと古本市には飽きてきた。


閉鎖中の「ジュンク堂書店日記」2005年7月12日分から引用させてもらうと、


『京都生活を百倍楽しむ』という新刊書には、下鴨納涼古本まつりのほか、三月書房や、アスタルテ書房に加え、某大学附属図書館まで登場する!(笑)

洋泉社新書『やっぱり京都人だけが知っている』(入江敦彦著)の「本屋」では、著者は京都三大古本まつりの中では、秋の百万遍の古本まつりを筆頭に挙げていた。
ちなみに、「本屋」に出てくる今はなき、書店の名前を見ると、著者ととともに泣きたくなってくる。たぶん、この著者とは書店で何百回とすれ違っていたことだろう。

別冊太陽『生活をたのしむ6 京都の市で遊ぶ』には、市川慎子さん(『海月書林の古本案内』の著者)が、下鴨納涼古本まつりに来て、長新太さんが絵を描いた『星の牧場』などを発見するエッセイが載っている。(「思っていた以上によかったです」とのこと)

『乙女日和』(山崎まどか著)には、今度の秋には、百万遍知恩寺の青空古本まつりには、行ってみたいとある。古本蟲ばかりでなく、古本乙女もぜひ、集まってほしいものである。(笑)

『「満洲国」資料集積機関概観』(岡村敬一著)は、雨にたたられた年の下鴨納涼古本まつりで、津田書店出品の旧満鉄図書館所蔵本に出会う話から始まる。

『日本の経済学を築いた五十人−ノンマルクス経済学者の足跡』(上久保敏著)には、「第一五回下鴨神社納涼古本まつりで、添田寿一の『実用一家経済法』(大正二年)を釣り上げた。わずか二〇〇円。この時の一番の収穫だった。戦前の経済関係の啓蒙書や随筆は専門書とは異なり、雑本扱いされるためか、社会科学専門の古書店でもあまり取り扱われておらず、かえって探しにくい」など、随所に古書蒐集話が出てくるという(「文献継承」第8GO(金沢文圃閣のPR誌)より)。

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週刊現代』で内澤旬子さんの「リレー読書」を見る。メガネをかけてない写真で、誰の写真かと思ってしまった(笑


S先生が解き残した謎が解けるかもしれない。