神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

大正12年宮本常一が観た「大和少女歌劇」は日本少女歌劇座か?ーー京都文教大学の鵜飼正樹教授へーー

奈良県立図書情報館で開催された日本少女歌劇座に関する展覧会は、見逃してしまった。「旅する歌劇団 日本少女歌劇座を追う(2018年9月22放送)|特集|U-doki|UMKテレビ宮崎」によると、京都文教大学の鵜飼正樹教授が同歌劇座を研究する切っ掛けになったのは…

西村貫一「蔵書標蔵書印の言葉」

9月25日の「蔵書印/出版広告」さんのTwitterは、 ・市島春城の蔵書印(子孫易酒亦可)「蔵書印DB子孫易酒亦可」「蔵書印DB子孫易酒亦可」 ・川尻清潭の蔵書印(川尻清潭此書不換妓)「蔵書印DB川尻清潭蔵此書不換妓」 を紹介している。見覚えがある語句と思っていたら、…

大正13年蒙古から来日したラマ僧達ーーもう一人の釈、釈黙笑と日蒙仏教連合会ーー

「ジャワの仮面を集めた男達ーージャワの松原晩香と京都の山崎翠紅ーー - 神保町系オタオタ日記」で紹介した『写真新聞』(写真新聞社、大正13年5月)に、蒙古から来日したラマ僧が出ていた。日比谷公園の花見堂で開催された釈迦生誕祭に参列したラマ僧達。蒙古…

梅原真隆・顕真学苑旧蔵の関昌祐編著『死後はどうなる?:心霊学説』(霊光洞本部、大正15年)

尚学堂の古書目録『尚学堂我楽多』522号,令和2年9月に梅原真隆・顕真学苑の旧蔵書が千円均一で出ていた。せっかくなので、1冊買ってみた。関昌祐編著『死後はどうなる?:心霊学説』(霊光洞本部、大正15年8月)である。「梅原真隆蔵書」印や「顕真学苑図書館」印…

二科会会友海老名文雄とパトロン芝川照吉ーー久米正雄「モン・アミ」に出てくるN洋画会のパトロンMは誰だ?ーー

「久米正雄「モン・アミ」の画家相澤八郎のモデル - 神保町系オタオタ日記」で行った久米正雄の小説「モン・アミ」『改造』昭和4年10月に出てくる相澤八郎のモデル=海老名文雄説及び海老名の年譜は、小谷野敦氏や林哲夫氏に好評であった。ただし、相澤らN洋画…

榎本法令館の榎本松之助が創刊した『新世界』(新世界社、明治42年)ーー宮本大人「湯浅春江堂と榎本法令館」への補足ーー

『文献継承』36号(金沢文圃閣、令和2年11[ママ]月)をいただきました。ありがとうございます。小林昌樹「『月遅れ雑誌』のはじめは明治30年ごろーー特価本の流通史」掲載。冒頭、拙ブログ「月遅れ雑誌を読んで育った高橋正治が通う館林の書店・図書館ーーヨドニ…

ジャワの仮面を集めた男達(その2)ーージャワ帰りの井岡大輔と原始芸術品蒐集家宮武辰夫

毎年腰痛に襲われるが、今年も再発。じっとしてれば痛くないので、スマホは使える。「ジャワの仮面を集めた男達ーージャワの松原晩香と京都の山崎翠紅ーー - 神保町系オタオタ日記」で言及した『鳩笛』6号(ちどりや、大正15年3月)が見つかったので、緑紅生「京…

ジャワの仮面を集めた男達ーージャワの松原晩香と京都の山崎翠紅ーー

数年前、四天王寺の古本まつりで古書クロックワークから『写真新聞』2巻5号(写真新聞社、大正13年5月)を入手した。表紙は補修ありで、口絵の一部も欠けていたが、大阪で発行されたグラフ誌で記事も幾つか興味深いものがあって、しかも200円なので購入。奥付…

与謝野鉄幹の兄大槻拙堂とは誰だ?ーー鉄幹の行方不明となった三兄巌のその後ーー

「カルピスを「初恋の味」にした驪城卓爾と三島海雲ーー厚生書店で見つけた『箕山遺稿』ーー - 神保町系オタオタ日記」で紹介した驪城卓爾『箕山遺稿』(驪城芳子、昭和4年6月)の「柿三題」中「落柿舎」に面白い記述があった。 数年前*1のある秋、其頃はまだ嵯峨の天…

明治41年?京都日出新聞主催25美人コンテストで第2位となった祇園新地の鈴木三栄

閉店した三月書房で開催された萩書房Ⅱと古書ダンデライオンによる古本市の後に、尚学堂で見つけた『女学世界』8巻11号(博文館、明治41年9月)。1,000円、紙袋にはネットで話題になったアマビエのスタンプが押されていた。目次を挙げておく。 口絵には、源氏物…

集古会会員としての旅館萬屋主人岡本橘仙と夏目漱石

蒐集家だった神戸の西村旅館の西村貫一。そう言えば、京都に似たような人がいた。萬屋主人の岡本橘仙である。岡本は、斯界のバイブル、トム・リバーフィールド編、書物蔵監修・解説『昭和前期蒐書家リスト』にも載っている。「蒐集分野」の記載はないが、典拠…

竹中郁が装幀した西村貫一の『金曜』(へちま文庫)

『竹中郁全詩集』(角川書店、昭和58年3月)の年譜(足立巻一)から、『金曜』(へちま文庫)関係の記載を拾うと、 昭和24年2月 詩「うさぎ」を『金曜』に発表 同年8月 詩「草の小径」を『金曜』に発表 同25年6月 エッセイ「文五郎の手 ロダンの手」を『金曜』特集「吉田…

「飯尾哲爾と『土のいろ』展」の図録を元「貸本喫茶ちょうちょぼっこ」の古本市で貰うーー遠州の柳田國男こと飯尾哲爾ーー

平成29年6月大阪で元「貸本喫茶ちょうちょぼっこ」の4人による古本市があった。古通豆本等を買えたが、無料本が何冊か置いてあって、その中にあった1冊。平成6年2月~3月に浜松市立中央図書館で開催された「飯尾哲爾と『土のいろ』展」の図録(浜松読書文化協力…

蒐集家西村貫一がへちま倶楽部に取り込もうとした岩本素白と伊藤正雄

足立巻一の小説『やちまた』上巻(河出書房新社、昭和49年10月)に「拝藤教授」の書斎が描写されている。 (略)八畳ほどの部屋には各種辞典類から近世文学の書物が書架によって天井までなべられ、『国語と国文学』『国語国文』といった専門雑誌の旧号が特別注…

パルコ文化が京都に殴り込み⁉ーーBooks Herringで、かわじもとたか氏企画「パルコ文化を創った八人の装丁本展」ーー

かわじもとたかさんから、「パルコ文化を創った八人の装丁本展」を予定通り開催するとの連絡がありました。京都市岡崎にある古書店Books Herring(ブックス・ヘリング)で10月16日(金)~18日(日)。山口はるみ、湯村輝彦、伊坂芳太良、石岡暎子、相田佐和子…

明治30年杉村楚人冠と三島海雲が京極で見物した快楽亭ブラック?の催眠術

一柳廣孝『催眠術の日本近代』(青弓社、平成9年11月)によると、明治30年前後催眠術ブームが一時期途絶えていた。 明治二十年以降を通観するかぎり、催眠術はかなりの隆盛を誇っていたといっていいだろう。しかしそのブームも、明治三十年前後になって、い…

へちま倶楽部(西村貫一主宰)の雑誌『金曜』の執筆者

昭和20年代に西村貫一が関与した団体としては、へちま倶楽部、金曜会、全日本文化協会、神戸ユネスコ協会がある。このうち、へちま倶楽部の規約や会員は、「近代書誌・近代画像データベース」の「へちま倶楽部会則及名簿::近代書誌・近代画像データベース」で…