神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

明治41年?京都日出新聞主催25美人コンテストで第2位となった祇園新地の鈴木三栄

f:id:jyunku:20200911201122j:plain
 閉店した三月書房で開催された萩書房Ⅱと古書ダンデライオンによる古本市の後に、尚学堂で見つけた『女学世界』8巻11号(博文館、明治41年9月)。1,000円、紙袋にはネットで話題になったアマビエのスタンプが押されていた。目次を挙げておく。
f:id:jyunku:20200911200520j:plain
 口絵には、源氏物語(一条成美)やバイオリン(川崎蘭香)*1
f:id:jyunku:20200911200537j:plain
f:id:jyunku:20200911200548j:plain
 残念ながら、口絵の「乳母の家」(夢二)と絵葉書(宮崎与平)は見当たらない。短文の甲賞には、内藤千代子「避暑地より」が選ばれている。
f:id:jyunku:20200911200632j:plain
 石龍子「人事活断」は、読者への占いで4頁載っている。
f:id:jyunku:20200911202742j:plain
 実は、この雑誌を買ったのは、記事の内容ではなく、裏表紙の女性の写真に驚いたからである。2年前京都文化博物館であった古本市で京都スターブックスから買った絵葉書の女性と同じだと思ったからだ。絵葉書のキャプションには、「京都日出新聞主催廿五美人投票/第二位当選者 祇園新地 鈴木三栄」とある。私の基準からいくと、失礼ながら美人というよりもブスに分類されるが、井上章一『美人コンテスト百年史:芸妓の時代から美少女まで』(新潮社、平成4年3月)を読んで明治期の美人コンテストに多少感心があるので買ってみた。あらためて比べてみると、似てるような別人のような。年寄りなので、若い女の子はみんな同じに見えてしまうからね。皆様は、いかがでしょうか。
 グーグルブックスで検索すると、『文芸倶楽部』14巻6号,明治41年4月に京都祇園鈴木三栄の「花か人か」(写真)が掲載されているようだ。ちょうど、『女学世界』の発行時期と同じだ。同一人物の可能性が少し出てきた。京都日出新聞の美人投票の時期も確認したいところである。井上先生の本は、タイトルは百年史だが、美人コンテストを網羅したものではなく、このコンテストは出てこない。誰か、美人コンテストの詳細年表を作った人はいないか。
追記:『別冊歴史読本』68号の『幕末・明治美人帖』(新人物往来社、平成13年3月)に明治43年9月25日消印の絵葉書として、京都日出新聞主催25美人投票第3位当選の京都祇園金岩若梅が載っている。
f:id:jyunku:20200912053045j:plain

*1:時期は異なるが、明治30年代後半における女学生のヴァイオリンブームについては、「明治30年代後半の女学生におけるヴァイオリンブーム - 神保町系オタオタ日記」参照