神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

伊藤隆先生がスメラ学塾に言及していた

グーグルブックスで発見したのだが、伊藤隆『昭和十年代史断章』(東京大学出版会、1981年9月)でスメラ学塾に言及していた。『矢部貞治日記』銀杏の巻から昭和16年9月1日の条の次の一節を引用している。 末次大将は、この二三日中に東亜建設同志会の会長を辞…

小説家浜野健三郎の甘粕正彦研究

昨日言及した浜野は、小説家浜野健三郎でした。石川達三『私の周囲・生活の内外』(大和書房、1971年12月)の「後記」に、 もともと私自身はこんな本を出そうとは考えていなかったが、旧友浜野健三郎君と大和書房主とが計画して、相談に来られたので、ついその…

甘粕正彦の秘書伊藤すま子と編集者浜野

石川達三『流れゆく日々Ⅰ』(新潮社、昭和50年4月8刷)に甘粕正彦の元秘書で銀座ベレーのママという女性が出てくる。 (昭和四十五年) 十一月十九日(木)雨 (略) 浜野君雨の中を来訪。満洲育ちは雨がきらいだと言う。(略)私の随筆集出版の相談。 彼は終戦のとき…

壽岳文章邸「向日庵」を設計した澤島英太郎の生没年

壽岳文章(じゅがく・ぶんしょう)の邸宅「向日庵」を設計した澤島英太郎。昨年の講演会「近代住宅史から見た壽岳文章邸」(京都市文化財保護課技師石川祐一)で生没年不詳と聞いたが、『満州紳士録』(満蒙資料協会、昭和18年12月第4版)で生年がわかった。同書*1…

『国史研究室通信』26号(終刊号?)(京都帝国大学文学部国史研究室、昭和17年2月)に吉田三郎が

これまた、三密堂の100円均一台で拾った3冊の『国史研究室通信』のうちの1冊。非売品、35頁。さすがに南部や西部の古書会館でもこれは落ちてないだろう。 本誌は、昭和6年12月創刊で11年に休刊、15年7月に再興して24号を発行。京大文学研究科図書館が創刊号…

『記念俚謡会宿題地巻:東京俚謡会創始三周年記念兼深澤銀扇先生謝恩』(東京俚謡会、昭和10年9月)

臨川書店のバーゲンで100円だったか。表紙に「左右先生選」、見返しには 宿題『三、週(周)、年、記、念、深、澤、銀、扇』 総数 七百七十七章 選抜章数 二十八章 天。地。人。五客。秀逸二十章 軸吟 一章 右に依り御選抜の程希上候 扱所 東京市麻布区飯倉片…

宮田昌明『西田天香』(ミネルヴァ書房)に日ユ同祖論

山科にある一燈園の西田天香については、『天華香洞録』に村井弦斎のタラコン湯が出てくることを紹介したことがある*1。しかし、西田そのものについては、真っ当すぎて面白くなさそうだと思って、伝記を読んだりはしてこなかった。今回、ミネルヴァ日本評伝…

愛犬王平岩米吉の発禁雑誌『変態随筆』

荒木優太『これからのエリック・ホッファーのために 在野研究者の生と心得』(東京書籍、2016年2月)で取り上げられた平岩米吉。昭和9年の『動物文学』創刊前に『変態随筆』なる雑誌を出していたというので、より詳しい片野ゆか『愛犬王平岩米吉伝』(小学館、2…

斎藤昌三氏に物を聴く会

道具屋筋に移転した天地書房にて『第31回阪急古書大会目録』を300円で。1月23日から28日まで阪急百貨店西館7階で開催された古書展の目録。発行年の記載はないが、伊藤一男「あゝ斉藤昌三氏に物を聴く会」に斎藤が旧冬の11月26日に亡くなったとあるから、伊藤…

『ザニタース月報』(アルス代理部)とザニタース診療所

口笛文庫で『ザニタース月報』7号(アルス代理部、昭和7年5月)と9号(同年7月)を拾う。前者は12頁、後者は16頁。アルス内にあったザニタース診療所(所長山崎英治)のPR誌。編輯兼発行人は北原富子。アルスの人脈を生かして著名人が絶対健康法やザニタース薬品の…

倉紡図書館の笠原史苑林

兼田麗子『大原孫三郎ーー善意と戦略の経営者』(中公新書、2012年12月)によると、孫三郎の明治36年1月24日の日記に、倉敷の民衆のための公会堂、図書館、公衆運動場の設置計画が記されているという。図書館については、 「図書館 図書館設立は人物吸収の良法…

『大阪ふるほんやMAP』を作った青空書房のさかもとけんいちさん

先日のORC200の古本市で入手した『大阪ふるほんやMAP』(大阪府古書籍商業協同組合、昭和43年4月)。折り畳み式で表面が古書店地図、裏面が「浪速紙魚双六 古本屋名所巡り」である。編集「あきれすけん」、アイデア「伊藤光三」、構成「杉本要太郎」とある。伊…

『雑誌新聞発行部数事典』(金沢文圃閣)を使ってみた

荒木優太『これからのエリック・ホッファーのために 在野研究者の生と心得』(東京書籍、2016年3月)で取り上げられた16人の在野研究者は、 三浦つとむ、谷川健一、相沢忠洋、野村隈畔、原田大六、高群逸枝、吉野裕子、大槻憲二、森銑三、平岩米吉、赤松啓介、…

ありゃまあ、恩地孝四郎装幀『詩歌年刊歌集』が二冊も

斎藤光陽編『前田夕暮全歌集』(至文堂、昭和45年6月)所収の年譜から白日社に関する記述を幾つか拾ってみよう。 明治39年12月 『明星』に対抗の意図から、漱石、逍遙等の賛助を得て白日社を創立 44年4月 白日社を再興し、雑誌『詩歌』創刊 大正6年9月 『詩歌…

三密堂書店が大放出!野口謙蔵『遺歌集凍雪』

激戦区である三密堂書店の均一台がまたまたやってくれました。上記を100円で。所蔵は滋賀県立図書館だけか。あきつ書店では19440円。昭和23年10月発行、発行所は滋賀県蒲生郡桜川村の白日社関西支部、発行者は同住所の歌人米田雄郎。非売品で、115頁。 目次…

口笛文庫で横尾忠則人生初の装幀本『近畿文学作品集』を確保

六甲に「古本とジャズ」の店、口笛文庫がある。このキャッチフレーズだと今風のおされな店だと思い、わすとか誰ぞは「わざわざいかんでもいいか」と敬遠してしまいそうだ。ところがどっこい、近所の奥さんが子供の本を買いに来る町の古本屋である一方、明治…