神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

本郷カフェー条項

斎藤光論文*1が出た後では、本郷カフェーについて語る意味も薄れた感があるが、とりあえず発見したことを報告しておこう。最近柏書房から刊行された芦田均日記だが、 明治38年2月6日 夕方前田中君と本郷カフエーに行く。 3月4日 帰つて本郷カツフエー行。 と…

大崎善生「赦しの鬼 団鬼六の生涯」(小説新潮連載)への補足

つぶやいてばかりで、こちらの更新を怠っていたが、たまにはアップ。 『小説新潮』連載の大崎善生「赦しの鬼 団鬼六の生涯」が完結。単行本化されると思うが、補足。同誌2011年7月号に また昭和を代表する詩人金子光晴の年表の中にも虎雄は登場する。 やはり…

安保闘争敗北が生んだ「上を向いて歩こう」

笹本恒子写真・文『恒子の昭和 日本初の女性報道写真家が撮影した人と出来事』(小学館)の紹介が、『本の窓』7月号に載っている。 彼女がこの春、ラジオ番組『永六輔 その新世界』にゲストとして出演したときに、永さんがそのいきさつを話されたのです。き…

『SFイズム』創刊号の「なにがなんでも山田正紀」特集

『SFイズム』創刊号、1981年5月は、「なにがなんでも山田正紀」特集。目次は、 山田正紀をえいと斬る 山田正紀に関するパラドックス的考察 飯田耕一郎 山田正紀様、好きだから言わせてもらいます。 原絵利須 何が何でも山田正紀を全て受け入れるぞ 村上敬司 …

みのり書房の小柳くんと亀和田武

亀和田武氏が『本の窓』に連載している「60年代ポップ少年」が面白い。7月号第13回は「新宿風月堂でお喋りしていたら→二人とも三流マンガ誌の編集者になっていた」。 マニア垂涎のコレクター本である貸本マンガ誌『刑事』(東京トップ社)が、なぜ私の机の上…

書物蔵『大東亜図書館学』(トマソン社)刊行??

トマソン社が、社運を賭けて初の単行本を刊行するようだ。社長松田友泉氏と親しい書物蔵氏執筆の『大東亜図書館学』である。金沢文圃閣の『文献継承』に連載された「あったかもしれない大東亜図書館学」に加筆訂正の上、「大東亜図書館学序論」が書き下ろさ…

オカルト少年大瀧啓裕の誕生

大瀧啓裕「大ロマン全集について」(高井信『〈世界大ロマン全集〉解説総目録』)に、大瀧氏と東京創元社の世界推理小説全集*1との出会いが書かれている。講談社の少年少女世界文学全集全50巻を読破した小学六年生の大瀧氏は、次に集英社の全集か、平凡社の…

問題作家山田正紀の昭和52年

昭和52年8月開催のHINCONの記録『第16回日本SF大会HINCON公式レポート』(昭和53年8月、発行人門倉純一、編集人山岡謙一)で山田正紀氏関係の記録を見てみよう。・「来賓あいさつ」 ○横田順彌 今回のSF大会は、大変私にとって参考になりました。SFというのは…

堺利彦外伝

平野威馬雄『アウトロウ半歴史』(話の特集、昭和53年7月)は買った覚えがなかったが、蔵書中に発見。平野の上智大学の学生時代に堺利彦が出てくる。 この大学のすぐ横に、当時の所謂危険思想の大家堺枯川(利彦)氏の家があって、真柄ちゃんという娘さんが…

小松左京『日本沈没』第二部の真相

小松左京研究会の会誌『臥猪庵通信』2巻5号、1980年1月の「臥猪庵ジグソーパズル」第4回は、62年光文社入社後、『マイホーム』、『女性自身』、『少年』を担当し、67年からカッパ・ノベルス編集部に異動し、小松左京の四人目の担当となった濱井武氏がゲスト…