神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

問題作家山田正紀の昭和52年

昭和52年8月開催のHINCONの記録『第16回日本SF大会HINCON公式レポート』(昭和53年8月、発行人門倉純一、編集人山岡謙一)で山田正紀氏関係の記録を見てみよう。

・「来賓あいさつ」

横田順彌
今回のSF大会は、大変私にとって参考になりました。SFというのは問題意識がなければいけないというのが分科会に参加してよくわかったのです。考えてみますと、私が今まで書いていたSFというのは、意識がなくて、あるのは問題だけだったんですね(笑)。これはいけないというんで、今度は少しは問題意識のあるものを書こうと考えています。(略)
山田正紀
問題作家っていうのは、僕も言おうと思っていて、横田さんに先に言われちゃって、しゃべることがないんですけど、問題作家、問題グループの一人ということで、どうぞお見知りおきを。山田です。

・第8回星雲賞投票結果報告
○日本長編部門
第一位 サイコロ特攻隊 かんべむさし(61票)
第二位 悪霊の女王 平井和正(58票)
第三位 謀殺のチェス・ゲーム(45票)

・「HINCONアンケート調査結果」(SFファングループ資料研究会)
「好きな作家は」という質問に対し、

1 筒井康隆
2 小松左京
3 平井和正
4 R・A・ハインライン
5 光瀬龍
6 アイザック・アシモフ
7 レイ・ブラッドベリ
8 半村良
9 A・C・クラーク
10 山田正紀

巨匠の中に、唯一新人山田氏の名があるのが、目を引く。
この結果について、森東作氏は、次のように分析している。
「新人といわれている人々の中では山田正紀の善戦が光っている。後に彼が直木賞候補にあげられ、また角川賞を受賞したことと考えあわせれば、この結果は当然のことかもしれない」