笹本恒子写真・文『恒子の昭和 日本初の女性報道写真家が撮影した人と出来事』(小学館)の紹介が、『本の窓』7月号に載っている。
彼女がこの春、ラジオ番組『永六輔 その新世界』にゲストとして出演したときに、永さんがそのいきさつを話されたのです。きっかけは、笹本さんが撮影した、六〇年安保条約自然成立の瞬間を捉えた写真でした。
「僕は、このとき、このデモのなかにいたんですよ!」
生放送のスタジオで人生を振り返りつつ過去に撮影した写真を笹本さんが見せていたとき、永さんがこう叫ばれたのだそうです。『上を向いて歩こう』はこの帰り道、涙をこらえて歩いたときの虚しく悲しい気持ちを込めた詞だったのだと。
いやあ、「上を向いて歩こう」の歌詞誕生の背景にそんなエピソードがあったとは。今行われている脱原発闘争は、どのような歌を生み出すことになるであろうか。
なお、同書には、昭和36年「写真嫌いの方だから女性のあなたで」と出版社から指名され、夏の軽井沢を訪れ撮影した室生犀星の写真も載っているという。
- 作者: 笹本恒子
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/06/01
- メディア: 単行本
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