神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

オカルト少年大瀧啓裕の誕生

大瀧啓裕「大ロマン全集について」(高井信『〈世界大ロマン全集〉解説総目録』)に、大瀧氏と東京創元社の世界推理小説全集*1との出会いが書かれている。講談社の少年少女世界文学全集全50巻を読破した小学六年生の大瀧氏は、次に集英社の全集か、平凡社の奇書シリーズかと決めかねていたが、太田辰夫訳『西遊記』(奇書シリーズ)の余りの手応えぶりに若干うろたえ*2、もっとわくわくする本を探したという。そして、世界推理小説全集に出会う。

最初に買ったのが、カーの「曲った蝶番」の収められた一巻で、この本で、オカルトという言葉やら、澁澤龍彦とか小栗虫太郎とかいう人の名前を知ったのだから、ある意味で宿命的な一巻だったと云えるだろう。

という。やがて、大瀧少年(本名森美樹和)は、『新青年』や保篠龍緒訳のルパンものを経て、大ロマン全集にも出会うこととなるのであった。なお、高井氏は、大瀧氏とは広島SF同好会で知り合い、大ロマン全集収集に当たり、多大の協力を得たという。

*1:正しくは、世界名作推理小説大系か。

*2:後、同教授のいる神戸市外国語大学へ入ることとなるが。