『座談会明治文学史』を改めて見てみると、
柳田(泉) それから末松謙澄のシェリーの「雲雀の詩」がある。
勝本(清一郎) ところがまた私の持っているものに、外山正一の「新体詩抄」の原稿の一部があるんです。
(略)
柳田 「女学生」はなかなかありませんね。私は川合信水さんのところにそろっているのがあるので見たのです。
勝本 僕のは河井酔茗さんのところにあったものです。「女学生」という雑誌のそろっているのは僕のところだけでしょう。端本が明治新聞雑誌文庫に少しあるぐらいです。(略)
(略)
勝本 僕のところに魯庵の蔵書だった公刊本「我楽多文庫」の合本が三冊あるのですよ。これに魯庵がことこまかく朱評を入れているんです。(略)
こ、これは誰ぞの好きな古本合戦みたいな。もっとも、合戦というよりは、勝本一人で、「どうだ。わしはこんな凄い本を持っておるのじゃ、ふふふ」と言っているようなものだが。