神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

『北方人』29号にかわじもとたか『続装丁家で探す本 追補・訂正版』の近刊案内

盛厚三氏より『北方人』29号(北方文学研究会)を御恵与いただきました。ありがとうございます。一時期休刊するとの噂もあったが、無理をされない範囲内で長く続けていただきたいものである。
目次は、

創作/御城前のおババ(三) 通雅彦
創作/陀羅尼助丸の秘密(3) 哀神シュナイダー
評論/釧路湿原文学史(10) 盛厚三
書評/北方人の本棚
書誌/装丁挿話(5) かわじ もとたか
近刊案内/かわじもとたか『続装丁家で探す本 追補・訂正版』
編集後記 [K]
表紙画・カット ジャック・カロ

釧路湿原文学史」は、昭和六十年代。カッパ・ノベルスを中心としたノベルズに釧路を舞台とした作品が多く世に出た時期である。ノベルズとしては、島田荘司、夏樹静子、井口民樹、西村京太郎、木谷恭介、斎藤栄が登場。その他、加賀乙彦、佐々木栄松、荒澤勝太郎、伊藤桂一加藤幸子、玉井裕志、近藤泰年、高橋良治らに言及。
「装丁挿話」は、須田国太郎、川島はるよ、水谷清、井口文秀、安本永、福沢一郎、杉浦非水、今村寅士、茂田井武橘外男本の装丁家たち、樺島勝一(椛島勝一)、山川惣治、中村正義、藤牧義夫。茂田井が小栗虫太郎の家に居候していたとか、『犯罪科学』の表紙絵を描いた今村とか面白い話が多い。
かわじさんの近刊案内が特に嬉しい。林哲夫氏の序文付きで、6月20日に『続装丁家で探す本 追補・訂正版』(杉並けやき出版発行・星雲社発売)を刊行。善行堂に置いてもらうと聞いているので、近くの人は善行堂で買いましょう。嬉しい知らせではあるが、実は寂しくなる知らせでもある。十冊目となる本書を最後の本とするとかねてよりおっしゃっているからである。寂しくなるから、十一冊目以降も続けてほしいと言ってはいるのだが、無理も言えない。当面は、『北方人』の連載でお目にかかれるのが救いである。