神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

自宅で郷土研究雑誌『安芸国』(安芸郷土研究会編)と古書目録『文屋』(文屋書店)の合冊を掘り出す

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 わしや誰ぞクラスになると、積ん読本やそもそも買ったことも忘れている本が大量にある。そのため、古本市に行かなくても自宅で掘り出し物を見つけることができる。今回紹介する雑誌もまったく記憶にないもので、安芸国郷土研究会編『安芸国』第3冊(文屋書店、昭和6年12月)である。裏表紙に文屋書店の広告、と思ったら、『文屋』41号(文屋書店、昭和6年12月)であった。なんと、郷土研究雑誌と古書目録の合冊である。前者が16頁、続いて後者が1頁から13頁までで同頁裏が合冊の裏表紙になる。古書目録の巻頭に本に関する随筆が載る例は数多くあるが、郷土研究雑誌との合冊は聞いたことがない。 
 『安芸国』の奥付を挙げておく。
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 会則が載っている「広島方言学会」は、東条操広島高等師範学校教授らが昭和6年5月広島文理科大国語学国文学研究室内に創設したものである。奥付には文屋書店の土井利三郎が安芸郷土研究会の代表者となっているが、巻頭に逸見敏刀(明治22年生、昭和6年9月没)の吊詞を書いた児玉良亮の肩書きが安芸郷土研究会長となっている。また、『日本民俗学大系』11巻(平凡社、昭和33年10月)によれば、

 昭和五、六、七年ごろには、広島市に「安芸郷土研究会」があって、『安芸国』という小雑誌を発行した。磯貝勇氏が力をかされたようである。氏は当時すでに、結城次郎氏などとともにこの道にはげまれ、やがて九年には、『安芸国昔話集』(岡書院)を出された。同じ九年に、及川儀右衛門氏の『芸備今昔話』(一誠社)も出ている。

 『安芸国』は、第4冊まで発行されたようで、国立国語研究所等が所蔵。ただし、合冊の『文屋』はOPACに入力してないようだ。『文屋』は、第3号を北海道大学附属図書館が所蔵している。また、『日本古書目録大年表』(金沢文圃閣)に、文屋書店(広島市)の古書目録として、『文屋目録』6号(昭和2年6月)から『文屋古典書目「本」』(昭和19年2月)まで50冊挙がっている。ただし、本号は含まれていない。
 『安芸国』2頁には、「方言大講演会」として、11月28日文理科大における広高教授増田幸一「方言と心理学」と京大教授新村出「方言と文献」の案内が出ている。また、『文屋』1頁の「寄贈書目」も面白いので挙げておく。青柳秀夫*1の『佐渡郷土趣味研究』がここにも顔を出している。
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