日本人も含めた宇宙飛行士の活躍、携帯電話やインターネットの普及、万能細胞の製造など、一昔前のSFに描かれた世界に生きている私達だが、一方で、派遣切りや食品偽装なんていう出来事が起きていると、なんとも「にぎやかな未来」と言いたくなってしまう。21世紀は、SFの父と言われるジュール・ヴェルヌが予想した未来の世界を遥かに超えている驚異の世紀である。そのヴェルヌ没後百年記念の一環として刊行されたフィリップ・ド・ラ・コタルディエールほか監修の『ジュール・ヴェルヌの世紀』(東洋書林)。これが今週の黒岩さんの書評の対象でした。「映画の始祖メリエスをはじめ、ブラッドベリ、アシモフ、ル=クレジオ、ウンベルト・エーコなど、ヴェルヌにオマージュを捧げる人は数え切れない」とあって、黒岩さんの文章に、ブラッドベリやアシモフが出てくるとは、嬉しくなってしまいました。
ヴェルヌの翻訳書は、何年も前に集英社文庫から「ヴェルヌ・コレクション」が出てたけど、最近数冊が復刊されているようだ。