小林一三の明治36年の日記*1に黒岩比佐子さんが大喜びしそうな記載がある。
明治36年3月15日 朝、上野公園にゆき、屏風画展覧会と東京百美人写真展を見る 十二時帰宅
3月17日 東洋画報第一号を買ふ こういふ雑誌は甚だ有益で趣味があるから面白い
4月4日 東洋画報第二号中々面白い
5月3日 東洋画報第三号
6月4日 歌舞伎第三十七号、東洋画報第四号
11月25日 電車上野迄開通、而カモ三銭均一ニテ大繁盛
12月2日 食道楽夏ノ巻ヲ買ふ
小林は当時三井銀行本店調査係検査主任。黒岩さんによると、この翌年の明治37年1月に、電車の三銭均一と村井弦斎の『食道楽』(夏の巻は36年10月刊行)にちなんだ「三銭均一食道楽おとわ亭」が神保町に開業。また、国木田独歩の『東洋画報』は同年3月10日創刊。上野の「東京百美人写真展」は、『明治のお嬢さま』にも出てくる小川一真撮影の写真と思われる。明治6年生まれの小林は、弦斎や独歩と同時代を生きた人でもあった。
(参考)黒岩さんの講演(無料)があるとのこと。
2月28日(土)午後2時〜4時、渋谷区郷土博物館・文学館「編集者としての国木田独歩」
(渋谷区内に在住・在勤、在学者に限る)
応募方法は往復ハガキかインターネットでの申込で、定員は40名
3月1日(日)午後2時〜4時、江戸川区立中央図書館「ノンフィクションのススメ」
(区内に限らず誰でも受講可)
電話申込(2月21日10時から受付、03-3656-6211)が必要で先着80名
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井上祐子『戦時グラフ雑誌の宣伝戦 十五年戦争下の「日本」』(青弓社)。黒岩さんとか、佐藤卓己氏が好きそう。