神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

情報官鈴木庫三とクラブシュメールの謎(番外)

2 上林暁と小島威彦(承前)


例によって、余談だが、「満田巌」という改造社の出版部にいた人物についてついでに述べるが、彼もスメラ学塾に関わる人物である。
特高月報」(昭和17年11月分)の「運動日誌」11月13日の条には、


スメラ学塾に在りては本月十三日及二十日の二回に亙り神田区一ツ橋共立講堂に於て満田巌以下研究部員約五百名出席し第一期学芸会を開催せり。


とある。小島に引きずり込まれたのであろうか。また、佐藤卓己言論統制』に満田は、講談社に強要された顧問の一人として名が出ている。


満田巌は、大正2年生まれ、東京外語独語卒、内閣総力戦研究所嘱託、情報局嘱託などを経た後、北支戦線に応召し、30歳で戦病死したという。『昭和風雲録』の著者。同書の「改訂版への序」で、仲小路彰、小島、清水宣雄を師と呼んでいる。


追記:小島威彦『喜望峰に立つ』(昭和15年1月)の発行者は、
   麹町区有楽町一丁目四番地
   ヨーロッパ問題研究所
    満田 巌
   発売所は、世界創造社となっている。