神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

昭和14年3月8日まで生きていた京都日出新聞記者黒田天外

文庫櫂がTwitterに明治39年4月13日付け黒田天外宛の石橋思案書簡を挙げていた。黒田の没年については、「京都スターブックス出品の戦前版『洛味』で美術記者黒田天外の没年を特定 - 神保町系オタオタ日記」で調査したところだが、最近某所で入手した戦前の雑誌…

尚学堂書店で『領解文説教:譬喩因縁』(顕道書院、明治34年)を社章買いーー洋書のプリンターズ・マークに倣った社章の例ーー

とうとうやってしまいました。社章買いを。義渓述・大久保一枝編『領解文説教:譬喩因縁』(顕道書院、明治34年9月)。尚学堂書店でコロナ騒動前に見つけていたものの持っていたような気もしたので見送ったら、緊急事態宣言が出て買いに行けなくなっていた。宣…

五色園の森夢幻が京都に計画していた万国史蹟宗教公園

だいぶ前に三密堂書店の100円均一から拾った『万国史蹟宗教公園創建趣旨』。八幡町(現八幡市)の「二百万坪を事業出発の地区として二府四県の連峰に拡張し本邦の中心に万国史蹟宗教公園真修五色園」を創設するとの趣旨書である。 地元との調整は済んでいて、昭…

中学生だった寿岳文章の心をとらえた東枝書店ーー東枝書店の『図書総目録』(大正2年)から見るーー

中島俊郎先生に御恵与いただいた『向日庵』3号(特定非営利活動法人向日庵、令和2年1月)の佐藤光「寿岳文章のウィリアム・ブレイク研究」に東枝書店が出てきた。寿岳「ブレイク研究への序説」『ブレイクとホヰットマン』1巻1号,昭和6年が初出で、 私の追憶は、私…

『雑誌「趣味」の研究』を斜め読みーー稲垣達郎が『趣味』を拾った古雑誌専門店柴善と家根谷書店ーー

尾形国治・小仲信孝編著『雑誌「趣味」の研究』(昭和59年4月)は、股旅堂から3000円位で購入。目次の写真も挙げておく。 国会図書館にもないが、「あとがき」に「早稲田大学図書館、日本近代文学館、国立国会図書館、東京都立大学附属図書館、昭和女子大学近代文庫…

摺師西村熊吉の談話が載った『今と昔』第1号(西村熊吉版刊行会)

知恩寺の古本まつりで摺師西村熊吉の次男亀次郎の遺稿集『亀山遺稿』(旧日本会、大正10年7月)を拾った話は、「竹岡書店の均一台で摺師西村熊吉の次男亀次郎の遺稿集を発見 - 神保町系オタオタ日記」でしたところである。実は、『今と昔』第1号(西村熊吉版刊行…

京都スターブックスで見つけた大正12年の『中外写真審報』に15歳の川島芳子

今年のみやこめっせにおける春の古書大即売会(京都古書研究会)は、中止になった。開催されるのを楽しみに、廻る店の順番を脳内シミュレーションしていたのに、残念である。そこで、昨年同即売会で京都スターブックスから買った『中外写真審報』(中外写真審報…

東海堂書店のPR誌『図書雑誌月報』の昭和5年新年号『新刊雑誌名著書籍目録』

平成28年7月に入手しているので、たにまち月いち古書即売会で入手したか。東海堂書店のPR誌『図書雑誌月報』25巻1号,昭和5年1月が出てきた。巻数から逆算すると、明治39年創刊ということになる。表紙には「新刊雑誌名著書籍目録」とある。表紙に「夢見る京都の…

星製薬の星一が残した東京福島県人会の『東京福島県人会々報』創刊号

「ねこや」の値札が貼ってあるので、東京古書会館の即売会で買ったのだろう。『東京福島県人会々報』創刊号(東京福島県人会会報部、昭和26年11月)が手元にある。どこの図書館にもないようだが、発行部数は多かったようで「日本の古本屋」には2点出品されていて、…

名古屋の読書趣味の雑誌『読友』(名古屋読書協会)創刊号ーー顧問に国枝史郎や金子白夢ーー

平成28年の秋に百万遍知恩寺の古本まつりでシルヴァン書房から入手した『読友』創刊号(名古屋読書協会、昭和7年10月)という雑誌がある。未知の書物関係雑誌で、どこの図書館にもないようだ。目次はないが、表紙の立石甫水による創刊の辞の他に、 読書漫談ー…

城市郎旧蔵の『発禁書と言論・出版の自由』(大阪人権歴史資料館)

大阪人権博物館(愛称リバティ・おおさか。旧大阪人権歴史資料館)は臨時休館のまま、来年6月までに移転することになったという(←追記:5月25日~31日特別無料開館することになった)。私は特別展を見るために何度か行ったことがある。常設展は、同和問題は勿論…

古書クロックワークから拾った『世界通』創刊号(明治41年)に「異常なる怪光」の記事

今年の四天王寺春の大古本まつりは、6月に延期された上、中止になったところである。開催されていれば、100円均一コーナーは勿論、各店であれこれ掘り出せたと思うと残念である。さて、以前同古本まつりで古書クロックワークから300円で見つけた『世界通』創…

京都に関する随筆雑誌『洛味』に雨田光平「平凡寺さんを憶ふ」ーーいつまでもあると思うな親と「ざっさくプラス」無償公開ーー

京都で発行されていた『洛味』という雑誌について、京都の食に関する随筆が載った雑誌と思っている人も多いだろう。しかし、必ずしも食に関する随筆ばかりではなかった。5月末まで無償公開中の「ざっさくプラス」で検索すると、199件ヒットしてその一端はうか…

松尾尊兊先生の古本仲間

『京古本や往来』74号(京都古書研究会、平成8年10月)の巻頭に松尾尊兊「古本まつり あれこれ」が載っている。 古本まつりは古本仲間の顔合わせの機会でもある。滋賀医大のT先生、奈良大のM氏、池の坊のH氏、佛大のH氏夫妻、京大のY氏等々。これらの人々の中に…

戦前期の京都消毒保健社による古本への消毒済証ーーキクオ書店の前田菊雄が語るーー

新型コロナ対策で図書館の本への消毒が話題になっている。これに関連して、戦前結核予防として古本が消毒され、消毒済証が裏見返しに貼られた事を思い出した人もいるだろう。私もそのような古本を何冊か持っているので、その内、関根正直校訂『国姓爺合戦・…

寿岳章子の古本人生3段階ーー『京古本や往来』(京都古書研究会)からーー

家にこもって積ん読本の整理をしていると色々発見ができた。『京古本や往来』28号(京都古書研究会、昭和60年4月)に寿岳章子「生涯のつきあい」が載っていた。章子と古本屋のつきあいは3期に分けられるという。要約すると、 第1期(幼少期) 父(寿岳文章)と寺町通…