神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

白洋舍のPR誌『白洋舍だより』の表紙に魅せられる

f:id:jyunku:20190323172345j:plain『白洋舍だより』1巻2号(白洋舍)。平成29年にタツタビルのイベントに出店していた古書鎌田から購入、500円。表紙の絵だけ見ると戦後のものかと思ってしまうが、上部に「戦時被服国策に順応して」とあるように戦前の昭和13年8月発行。内容は、

時局と家庭経済 大妻コタカ
白洋の歌 堀口大学
夏の御遊び着 宮崎健一
白洋舍グラフ
洗濯資料陳列館
御家庭の栞
白洋舍だより・読者の頁

で、12頁。「洗濯資料陳列館」は、文部省嘱託青木良吉、東京女子専門学校講師山下栄三、白洋舍社長五十嵐健治の提唱により、白洋舍の多摩川工場(蒲田区丸子町)構内に陳列館2棟ができたとある。既に2回の家庭洗濯科学展覧会を開催。役員は、

館長 山口貴雄
常務理事 山下栄三
〃    青木良吉
〃    五十嵐健治
顧問 本野久子
〃  吉岡弥生

白洋舍のホームページによれば、今も五十嵐健治記念洗濯資料館が下丸子の白洋舍本社内にあるようだ。
本誌は国会図書館サーチやCiNiiではヒットしないが、「日本の古本屋」に白洋舍のPR誌『HAKUYO』1巻1号(昭和9年以降)、8頁が2万円で出ている。書影を見ると、雰囲気は全然異なっている。本号の表紙を描いた画家は不明だが、現在でも十分通用するというか、むしろ当時は評価されなかった無名の画家だろうが、今なら漫画家としてやっていけそうな画力があると思う。