わしには、探求書は存在しない。ただ、読んでみたい本はいくつか存在する。次のような日記群である。
堀一郎の日記(当初『堀一郎著作集』で書翰・日記編が予定されていたが、未完のまま完結)
石川達三の日記(河原理子『戦争と検閲:石川達三を読み直す』)
中里介山の日記(松本健一『中里介山:辺境を旅するひと』)
西山夘三の日記(『超絶記録!西山夘三のすまい採集帖』)
大原孫三郎の日記(兼田麗子『大原孫三郎:善意と戦略の経営者』)
井上照丸の日記(「昭和17年8月シンガポールで交錯したジャワ派遣の大木惇夫と日米交換船の鶴見和子・俊輔 - 神保町系オタオタ日記」参照)
多くの日記が( )内の文献で使用されているものの未公刊なので、全体を読んでみたい。当該日記の筆者の研究をしたいということではなく、当該分野の研究者がスルーしてしまうような貴重な記述を見つけたいためである。ただ、原本を見せてもらっても解読できないと思うので、翻刻を願っている。特に堀の日記は現在どうなっているのか知らないが、堀が柳田国男から借りて返した後、所在不明になっている柳田の日記も、もしかしたら堀の遺品に紛れているかもしれないので、所在の確認・研究・翻刻を一刻も早くしてほしいものである。