神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

『没収指定図書総目録』で楽しむ


西尾幹二GHQ焚書図書開封 米占領軍に消された戦前の日本』(徳間書店)。タイトルから予想した内容にかかわる部分が、目次をみると第1章だけと思い、読みもせずに、「買わない方がいいかも」と言ってしまった。
しかし、パラパラ見てみると、多少面白いことが出ている。GHQによる没収指定図書の著者別ランキングでは、野依秀市に次いで、仲小路彰が第2位だという。世界興廃大戦史というシリーズものが対象となったためであろう。藤澤親雄は第20位。また、仲小路が主宰した世界創造社の『戦争文化叢書』も紹介されていた。


西尾氏が活用した『没収指定図書総目録』を見ると、色んな本が出てきて楽しめた。小島威彦や中山忠直の著作はもちろん登場するが、他には

由良哲次『戦車と戦車戦』(大東出版社、昭和19年9月)
 同  『軍馬物語』(大東出版社、昭和19年10月)
仲木貞一『恋の銀翼』(東京朝野新聞出版部、昭和12年10月)
増田正雄『虚偽と真実との闘ひ』(海軍施設協力会、昭和18年8月)
大槻憲二『科学的皇道世界観』(東京精神分析学研究[所]、昭和18年3月)
堀一郎『印度民族論』(アジア問題研究所、昭和15年1月)
武智彦栄『伝書鳩の研究』(内外出版印刷株式会社出版部、大正10年11月)
島田春雄『国語論集日本語の朝』(第一公論社、昭和19年6月)  


由良はあの由良だろうか。戦車の本を書いていたとすれば、誰ぞと話が合ったかもね。
ん、こんな本もあった。


堀内庸村『電力国家管理問題の根本意義』(反響社、昭和13年1月)。あの堀内かすら。

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近代京都研究』(思文閣出版)に「京都帝国大学法科大学草創期における総長及び図書館長批判の顛末」(廣庭基介・花園大学客員教授)というのが出るみたい。ナンダラウ。