神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

石田幹之助

青年図書館員聯盟会員ぐろりあ・そさえての伊藤孝次

『青年図書館員聯盟会報』第4及5号、昭和3年9月の「新入会者名簿」に、「伊藤孝次 ぐろりあそさえて[神戸市前町18番]」とある。また、昭和5年11月の同聯盟会員名簿*1では、孝次の連絡先は「ぐろりあそさえて(京都市中京区河原町通三條南、蓬莱相互館)」に…

昭和10年のモラエス遺品展覧展

池内紀『二列目の人生 隠れた異才たち』(晶文社)は、大上宇市、島成園、モラエス、中谷巳次郎、西川義方、高頭式、秦豊吉、魚谷常吉、篁牛人、洲之内徹、尾形亀之助、福田蘭童、小野忠重、中尾佐助、早川良一郎、橋爪四郎をとりあげている。ハーンに比べて…

石田幹之助と宮本百合子

『日本古書通信』2月号に八木福次郎「愛書家・思い出写真帖38 石田幹之助先生」が載っている。 宮本百合子が荒木百合子だった時代に、夫の荒木茂が古代ペルシャ語の研究者だった関係で、百合子は私好みの人間に出会っているが、石田幹之助もその一人。百合…

谷崎潤一郎ネタと石田幹之助ネタの融合

谷崎潤一郎が、昭和19年7月に限定自費出版した『細雪』上巻。配布先としては、宇野浩二、永井荷風、渋沢秀雄、志賀直哉らが知られているが、もう一人確認できた。木下杢太郎である。 「藜園雑記」中の「細雪」*1によれば、 谷崎潤一郎の「細雪」は嘗て其一部…

早く出してね、ミネルヴァ日本評伝選『石田幹之助』

芥川龍之介をして東洋史研究をあきらめさせた男、元東洋文庫主事石田幹之助については8月27日、28日にも紹介したけれど、今時、関心があるのは、わし(と谷沢永一先生も?)だけかと思っていた。 ところが、ミネルヴァ日本評伝選の刊行予定リストに、岡本さ…

石田幹之助を好きで好きでたまらなかった長澤規矩也

学生時分から、石田幹之助のことが、「好きで好きでたまらなかつた。氏のやうにありたいと思つたことは度々であつた」という長澤規矩也の「石田幹之助氏を悼む」(『書誌学』24・25合併号、昭和49年7月)によれば、 大正五年、東京帝国大学文科大学史学科卒…

芥川龍之介に東洋史研究をあきらめさせた石田幹之助

後に東洋文庫主事となる石田幹之助と広津和郎は、麻布中学で同級であったが、広津による石田の回想に面白い記述があった。 『年月のあしおと』(『広津和郎全集』第12巻所収)によれば、 私と同期の卒業生に石田幹之助がいる。私は同級ではあったが、石田君…

東洋文庫と石田幹之助

石田幹之助が東洋文庫を追われた理由については、「日本古書通信」に推測する記事が載っているらしいが、未見。「東方学」49集(昭和51年1月)中の「石田幹之助博士の訃」で榎一雄が、言及しているので紹介しておこう。 そうした石田博士が東洋文庫を退かね…

岩波書店『「帝国」日本の学知』シリーズ(その2)

大橋図書館の元司書にして、柳田國男の高弟たる大藤時彦の経歴については、『現代人名事典』(平凡社)に、「大橋図書館、国際文化振興会、CIE」とあり、国際文化振興会では石田幹之助の創設に係る図書室と関係があるのか、CIE(GHQの民間情報教育局)図書館…