神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

昭和10年のモラエス遺品展覧展

池内紀『二列目の人生 隠れた異才たち』(晶文社)は、大上宇市、島成園、モラエス、中谷巳次郎、西川義方、高頭式、秦豊吉、魚谷常吉、篁牛人、洲之内徹尾形亀之助、福田蘭童、小野忠重中尾佐助早川良一郎、橋爪四郎をとりあげている。ハーンに比べて知名度は格段に劣るモラエスだが、昭和4年7月に亡くなったのち、七回忌に当たる10年には徳島と東京で追悼会が開かれた。特に東京では、遺品展覧会も開催された。木下杢太郎の日記によると、

昭和10年7月12日 二時明治生命館のモライシユ遺品展覧会を見、□[空白]氏に会ふ。又石田幹之助後藤末雄に会ふ。/略/七時よりモライシユ追悼会。

    7月13日 正午は丸ノ内常盤にてモライシユ追悼会に関係の人の午餐。/天羽情報部長。団伊能。葡萄牙公使。記者。

天羽英二の日記には、

昭和10年7月12日 午後七時明治生命館ニテ「モラエス」慰霊式行ハル 大臣ニ代リ式辞代読 松田大臣式辞 湯本学務局長 森房子、木下杢太郎、星誠、新居格等演述

    7月13日 昼 文化振興会挙行 「モラエス」関係者招待 常盤ニ出席 食後徳島祭典活動写真挙行

石田は、当時国際文化振興会の嘱託であった(2006年8月28日参照)。新居が出てくるのは、徳島出身という関係のようだ。

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sumus』13号、今週は、東京堂書店3位。引き続きランクイン。
同誌では、黒岩さんのコメントを読めてよかった。私の方が、先に晶文社本に出会っていたようだが、晶文社の本と意識したことはない。私の最初の晶文社本である筒井康隆『暗黒世界のオデッセイ』を挙げていたみなみけいじ氏のコメントが一番共感できた。

東京フレンズ」を再び見る。誰ぞは、わすのネット上の東京フレンズなり。

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下嶋哲郎『謎の森に棲む古賀政男』については、2007年4月13日に言及している。