神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

『あめりか屋HISTORY一〇〇年の道のり』刊行ー江馬務邸も施工していたあめりか屋ー


 一昨年(令和4年)7月6日の京都新聞に建築会社あめりか屋が令和5年に設立100年を迎え記念誌の発行を予定している旨の記事(樺山聡記者)が載った。続報が出たのか不明だが、大阪市立中央図書館で『あめりか屋HISTORY一〇〇年の道のり』(あめりか屋、令和5年10月)を見つけて目次をコピーしてきた。
 時間がなく本も禁帯出のため、とりあえず「富岡鉄斎邸と富岡益太郎ー文人画家の安息の地」だけを読んだ。鉄斎邸の施工は知っていたが、息子謙蔵と交流があった江馬務邸の施工にも携わったとあり驚いた。江馬については、『歴代風俗写真集』『歴世風俗印画集』の復刻版(日外アソシエーツ)が昨年と今年刊行されたとの記事(行司千絵記者)が7月23日京都新聞に掲載されたところである。江馬が明治44年に創立した風俗研究会については、「『風俗研究』138号(風俗研究所、昭和6年11月)で見る風俗研究会の二十年 - 神保町系オタオタ日記」参照。
 ところで、「大阪古書会館で武田五一邸や木島櫻谷邸の作庭をした植重(佐野庭園工藝所)のカタログーー庭師佐野榮太郎の世界ーー - 神保町系オタオタ日記」で言及した植重こと佐野庭園工藝所が設計施工した庭園の中には、鉄斎邸のほか、あめりか屋の創立者橋口信助が住宅改良会を設立する際に支援を受けた武田五一*1や今回記念誌の目次に見える加藤伍兵衞の名前も見える。植重とあめりか屋が繋がってくる。

*1:鉄斎邸にあった書庫(魁星閣)は、武田五一の設計