神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

『風俗研究』138号(風俗研究所、昭和6年11月)で見る風俗研究会の二十年

『風俗研究』は一冊だけ持っているので、紹介しておこう。創刊廿周年紀念の明治風俗号なので購入。編輯兼発行者は江馬務、発行所の風俗研究所は江馬の住所と同じ京都市富小路松原上ルに所在、印刷所は京都市仏光寺通大宮西の天進社印刷所。目次は、

口絵
新令五十五箇条
新橋駅汽車開通行幸の図
創立二十周年を迎へて 江馬務
明治時代の風俗史的考察 江馬務
明治の結髪 江馬務
婦人束髪解雛形 検閲柳条亭華彦、操觚たけ柴井水
西園寺老公と私の祖父 江馬務
風俗研究会二十年史 若原史明

「風俗研究会二十周年史」(実際のタイトルは「本会の二十年」)から風俗研究会の歴史を要約すると、

明治44年11月26日 創立(総会出席者は、猪飼嘯谷、不動立山、西堀刀水、内海潮香、本多貞翠、西桜洲、江馬務)
同年12月9日 第一回研究会開催。以後一年間は毎月一回乃至二回の会合を江馬邸で開催
45年10月26日 第一回講演会開催
大正3年10月24日 従来講義本位であった研究を自ら古代の扮装を為してそれを写生し、直接実地研究と応用の両益を得ることを創案
4年1月10日 第一回衣紋会(後に扮装写生会に変更)を建仁寺両足院で開催
同年10月 会の規則を制定
5年3月8日 『風俗研究』創刊
8年4月 風俗研究所設立、風俗文庫開設
14年5月2日 淳風学院開院

展覧会も開催していて、「幽霊画」(大正3年6月)や「妖怪に関する展覧会」(大正8年9月)なんていうのもあったらしい。また、『風俗研究』には「妖怪の史的研究号」(大正8年11月)や「妖怪変化号」(昭和2年8月)もあった。