神保町系オタオタ日記

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我楽他宗奈良別院第二十三番札所の楠田庄作ーー奈良県田原本町の重珍荘ーー

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 先日の寸葉会で重珍荘(奈良県田原本町)の楠田庄作の年賀状(昭和13年)を購入。未使用で800円。肩書きに「大日本我楽他宗奈良別院/第二十三番札所/不可解山珍重寺」とあるためである。楠田の年賀状は他にもあったが、1枚あればいいかとこれだけにしておいた。
 楠田の経歴は不明。『昭和前期蒐書家リスト:趣味人・在野研究者・学者4500人』には、蒐集分野が「演劇、郷土研究」とある。絵葉書には住所地に続いて「郷土研究会」という記載もあるので、確かに郷土関係の本を集めていたのだろう。磯部敦先生作成の「近代奈良県書物文化環境一覧」(資料検索 - 奈良女子大学学術情報センター)にも楠田の記載あり。もっとも、蒐集家リストと出典が同じ『日本蒐集家名簿』(日本古書通信社昭和13年6月)である。
 我楽他宗奈良別院第四番札所の宮武正道については、「松村又一の『民謡レビユー』に日本我楽他宗奈良別院第四番札所宮武正道の「パラオ島の民謡」 - 神保町系オタオタ日記」で言及したところである。『我楽他宗人名簿 昭和七春本部編 第一巻』には、本山121名、大連別院12名、神戸別院42名、奈良別院29名、大阪別院12名、他に堺別院8名、盛岡別院2名、京都別院1名、計221名の名前が掲載されているという*1。奈良別院29名のうち、九十九黄人を含めて3名は判明したことになるが、残り26人はどういう人達だろうか。蒐書家リストには奈良県在住者が52名挙がっていて、この中に奈良別院の会員がまだいそうである。
参考:「柳田國男と我楽他宗会員の在神戸オランダ領事デ・ロースーー昭和9年8月9日付け新村出宛柳田國男自製絵葉書からーー - 神保町系オタオタ日記

*1:『我楽他宗:民藝とモダンデザイナーの集まり』(多摩美術大学芸術人類学研究所、令和3年2月)31頁