神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

明治30年代後半の女学生におけるヴァイオリンブーム

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木股先生のブログ「稲岡勝『明治出版史上の金港堂』: 表現急行2」に『THE RUSSO-JAPANESE WAR FULLY ILLUSTRATED』明治37年6月号に掲載されたヴァイオリンを弾く女学生の口絵(鏑木清方画)が紹介されていた。それでヴァイオリンを弾く女性の明治期の絵葉書を持っているのを思い出した。写真を挙げたが、シルヴァン書房から600円で入手。清方に比べると女性を描く画力は劣るが、譜面台はよく描かれている。宛名面に仕切り線がなく、「郵便はかき」・「POST CARD」とあるので明治36年12月から明治40年3月までの発行、切手が紫色の1銭5厘菊切手なので明治39年5月以降投函ということになる。消印が不鮮明だが、宛名面に「正月元旦」とあるので明治40年1月の年賀状なのだろう。
明治30年代後半に女学生の間にヴァイオリンブームがあったようで、ネットで読める高橋美雪「明治期のヴァイオリン:そのイメージと日本特有の受容の諸相」によると、明治38年9月6日東京日日新聞

○婦人界雑話 近時流行せる音楽の中にても殊にヴァイオリンは携帯に便なると其持歩く風がハイカラに見ゆるより女学生の如きは皆ヴァイオリンのみの志望者多く(略)

とあるらしい。ヴァイオリンを弾く女学生の絵葉書も多分数多く出たのだろう。