神保町系オタオタ日記

自称「人間グーグル」

東京から程良い距離の市川と本山桂川ーー本山桂川の『史談と民俗』(日本民俗研究会)ーー

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 和歌山県田辺市南方熊楠顕彰館で「第58回月例展 熊楠とゆかりの人びと 第40回「本山桂川」 – 南方熊楠顕彰館(南方熊楠邸)– Minakata Kumagusu Archives」開催中。日帰りで行けないこともないが、ちょっと遠いかなあ。桂川昭和9年10月に創刊した『史談と民俗』は、第2冊,同年11月だけ持っている。値札や値段の表記がない。南部古書会館の2階で月の輪書林が民俗雑誌を放出した時に値段が付いてなくてその場で値付けしてもらったことがあるので、その時か。数百円だったと思う。目次と奥付を挙げておく。発行所は千葉県市川市の日本民俗研究会、編集・発行兼印刷人は本山豊治(桂川の本名)である。
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 「閑談」は、会員の投書欄で、「東洋民俗博物館の九十九豊勝と足立史談会の福島憲太郎 - 神保町系オタオタ日記」で紹介した福島憲太郎(氏子の禁忌)のほか、竹重虚心(エゴといふ言葉)、桜田勝徳(ミトのアンバ)、尾崎清次(動物心理)の名が見える。福島は、東京千住河原町の鎮守稲荷神社の氏子に、「幼児に麻の葉の模様ある[ものを]着せてはならぬ」などという禁忌があるが、他の地域にもあれば一報をと呼びかけている。
 市川と文化人というと、私には永井荷風しか浮かんでこない。しかし、「市川の文化人 | 市川市公式Webサイト」によると、井上ひさしなど多数存在している。東京から適度に離れているところが良いのだろうか。最近では、星海社の元編集者平林緑萌氏が市川市志学社を興している。
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